豊かさのメソッド

2013.2.24|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

『フィンランド 豊かさのメソッド』 堀内都喜子著  集英社新書

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家の設計士、山口です。

 

いま、兵庫県立美術館で「フィンランドのくらしとデザイン -ムーミンが住む森の生活 展」というのがやっていますね。私もなかなか行く時間がないのですが、3月10日までですので、それまでには!と思っています。

 

フィンランドと言えば、北欧の「生活大国」と言われる国であり、デザインの世界でも非常に定評を得ている国です。建築の世界では、アルヴァ・アアルトという巨人を生んだ国として知られています。

 

「暮らしを豊かにする」デザインとして、万人に愛されるそのデザイン思想のこと、あるいは教育や福祉の面で非常に進んだ、これも「暮らしを豊かにする」ことの先進国であること、そういうことは日本にいる私たちの耳にもよく届いてくるところです。

 

では、フィンランドの人たちは、実際どんな暮らしをしているのかなあ?そういうことを知ってみたかった私に、良い本がありました。それが本書です。

 

著者はフィンランドのユヴァスキュラ大学大学院に留学し、そしてそこで「異文化コミュニケーション」を学んだ経験を活かしてこのような本を著しました。そこには著者が触れ合った「異文化」であるフィンランド文化が活写されていて、読んでいてとても楽しいです。

 

例えば以下のような、フィンランド人のナマな暮らしぶりについて、異文化に属する日本人の視点で描かれています。家づくりに関する項目もありました。私も、読んで驚き、感心し、思わず笑ってしまったりと、とても興味深く楽しめました。

 

・成果主義が普通のため、フィンランド語には「頑張る」という言葉がない。

・フィンランドの学校には「掃除の時間」がない。

・医療費などは非常に安いが、医師不足のため、風邪くらいでは診てもらえない。

・何年か同棲してから結婚するのが普通。親が子どもに同棲をすすめたりする。

・生まれた赤ちゃんは、生後1~3ヶ月は、名前がない。

・赤ちゃんは、冬でも外で放置されたまま、昼寝をする。

・フィンランド人は、スウェーデンに対して、かなり敵対心をもっている。

・家づくりは、「セルフビルド」あるいは「ハーフビルド」が非常に多くおこなわれている。

・二世帯住宅はない。「親と同居する」という考え方が、基本的にない。

・リサイクル社会なのに、公衆トイレには手を拭く紙があるのがあたり前。誰もハンカチを持ち歩かない。

 

フィンランド語についての話も多く出てきますが、基本的に他の欧州系言語と全く違う語族であるため、非常に習得しにくいのだそうですね。その中で、日本で最も浸透しているフィンランド語はなんでしょうか?

 

そう、それは「サウナ」です。フィンランドはサウナ大国でもあるのですね。

 

人の暮らしぶりが描かれている本は、暮らしを提案する志事をしている私には、とても魅力的です。この本を読んでから、冒頭の「フィンランドのくらしとデザイン展」を見に行くと、より深く楽しめるのではないでしょうか。私もそうします!