軒下へ入る

2014.2.20|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2014-02-20 16.29.07

 

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日も現場のお話におつきあいを。夕方、泉北ニュータウンで進んでいる新築の現場へ行ってきました。今月初めに上棟式をした「同窓の縁からの家」です。三週間経って、大工さんの工事が着々と進んでいましたよ。

 

この家は30坪ほどの木想家。2階建で、1階が約20坪、2階が10坪。2階は1階の半分なんですね。ということは、2階建でない平屋の部分が大きい家だ、ということになります。この平屋の部分を「下屋(げや)」と言います。

 

この大きな下屋が、道路側のこの建物の「かたち」を決めています。それは総二階(上下階が同じ形、面積の家)よりも、ずいぶんと品があるというか、落ち着きをもたらしてくれていますよ。こんな感じです。

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ちょっとシートで見にくいですが、手前にぐっと下屋とその屋根の軒が張り出してきていて、後ろには「切妻(きりづま)」と呼ばれる山型の屋根。下屋と大屋根とで、屋根が流れる方向を変えると、このようにスッキリとした美しさが現れます。

 

そして冒頭の写真は、下屋の一番北側に位置する玄関。下屋の屋根を利用しつつ、さらにこの部分のみ外壁の位置を後退させることで、写真のような広い軒下空間がうまれています。玄関ポーチに深い屋根。とてもいい感じです。

 

ポーチで傘をたたんで、あるいは荷物を一旦置いて、鍵を開けて、家に入る。玄関ドアの手前には、そういう人の動きを慌てずにおこなえる場所があってほしい。いつもそう思います。そこにこの大きな軒による陰影のある空間は、とてもよく似合うのですね。

 

建売住宅によくある、道路に面した外壁にそのまま玄関ドアがペタッとくっついたような落ち着きのない玄関には、品というものが足りないし、そこで「家の中へ入る」という気持ちの切り替えもしずらい、私などはそう思うのですが、いかがでしょうか。

 

家の入口である玄関。その佇まいと、そしてそこへと至るアプローチは、家の品格というか、その持ち味を決める大きな要素です。自分と同期生の奥さん、そして歳上のご主人。ご夫妻のために私がプランで考えたその「落ち着き」を、今日は現場で確認することができました。

 

この大きな屋根の軒裏は全て板張りで仕上がります。その軒下へ入る一瞬、木の家ならではの雰囲気が来訪者を包んでくれるはず。早く出来上がってほしい、そんな素敵な場所であります。