重陽の節句に

2014.10.2|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日10月2日は、旧暦でいうと9月(長月)の9日。この日を「重陽(ちょうよう)の節句」といいますね。昨日あたり、お客さまのもとに届いたはずの「住まいの学校」チラシにも、それを題材に絵を描きました。

 

古代から、奇数のことを「陽数」、偶数のことを「陰数」と言うのだそうです。そして、陽数が重なる日には、季節の節目となる「節句」がありました。上巳の節句(3月3日)、端午の節句(5月5日)、七夕の節句(7月7日)と。

 

そして一番大きな陽数が重なる9月9日を、その通りの名で「重陽の節句」と呼ぶのですね。この日は別名を「菊の節句」といって、菊にまつわる節句の行事も色々あるようです。

 

例えば「菊酒」。菊の花びらを浮かべたお酒を飲むと、邪気を払い健康でいられるという。昔は菊の花びらをお酒に漬け込んだのだそうです。

 

また、「菊の被せ綿(きせわた)」と言って、節句の前日に菊に綿を被せておき、節句当日の朝にその香りが移った綿で身体を清める、というのもあるとか。長生きの秘訣だそうですよ。

 

そんなことで、今回は菊の花を描いています。実は私のおじいさんは、このような鑑賞菊を育てる名人でした。おじいちゃんっ子だった私は、その菊を育てている作業場で育ったんです。

 

だから、私にとって菊は特別な花。今回描いていても、なんだか懐かしいあの作業場の香りが甦ってくるようで、ちょっと感傷的になってしまいました。

 

そして、もうひとつ描いたのは、これも重陽の節句に食べるものとして、江戸時代から習わしとなっている「栗ご飯」です。これも秋の味覚、今とても美味しいものですよね。

 

このような「節句」も、今やほとんどが新暦で祝われるようになり、このブログで何度も書いているように、実際の季節との食い違いが顕著で、季節感がなくなってしまっています。私は、それが気になる。

 

上巳の節句は今や「雛祭り」となり、七夕も梅雨空で見えなくなってしまいました。風情のないことです。まだこの重陽の節句は、旧暦(太陰太陽暦)で節句を祝うことが多いようですが、菊も栗ご飯も、新暦の9月9日では、まだ夏ですから、全く合いません。

 

日本人の季節感に合った暦として、昨今は「旧暦で暮らす」というような本も出まわるようになりました。私もそれには大いに賛成派。

 

「節句」というものの意味合いすら忘れ去られようとしている時、今回のチラシの絵で、少しでもそれを想い浮かべていただければ幸いです。