階段の家具

2013.7.24|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日は朝から、KJWORKSの「くらしの杜」にほど近いマンションのお客さまのところへ、家具のお届けに行ってきました。新しく出来たそのマンションへ引っ越してくるにあたって、単なる置き家具でない、造付けに近い木の家具を、とのご要望をお聞きしていたものです。

 

このお部屋はマンションの最上階、10階にあります。下の階の屋上が、ルーフガーデンとして使えて、眺望を眺めつつアウトドアが楽しめるという、なかなか一戸建てではできない楽しみのあるお部屋ですね。

 

でも、そのせっかくのルーフガーデンに出る窓が、いわゆる「掃出窓」ではないんです。これは屋上の防水の関係もあると思いますが、ごく普通の「腰窓」なんです。キッチンからの勝手口はあるのですが、出来たらリビングから出たいところ。

 

ということなので、KJWORKSさん、木の階段をつくってもらえませんか?というご依頼だったんですね。了解しました、ということで現地を見せていただくと、窓の横に壁があって、ただ階段をつくるだけでは、部屋の隅の辺りがなんだか中途半端に空いてしまうように思われました。

 

そこで今回の私からのご提案は、「階段ではなくて家具をつくる。それを登ることもできる」でした。高さ22センチの段を3段つくることにし、その2段めの高さの箱をこしらえて、部屋の隅までピッタリにつくってしまうという案です。

 

高さ44センチだと、低めのTVボードのような高さ。その上に、窓の部分に合わせて3段目をくっつけます。残りの天板の部分にはものを飾ることもできるし、箱には引違い戸をつけて、中が収納になります。

 

そして、3段目と同じ形の1段目を別に作って、前に置きます。収納を使う時はどかす必要がありますから。冒頭の写真がその設置完了の状態です。このあと奥様に、「上がり初め」していただきましたよ。

 

向かって左側の壁との間が、天板は端まであって箱は少し隙間があるのは、その面にコンセントがあるからです。延長コードをつけて、この隙間に隠しておくというわけですね。これは全て置き家具なので、動かして掃除も可能ですね。

 

こういう家具は、まず既成品にはないと思います。ただ階段をつくるのではなく、「家具を階段にする」という発想の転換をして、うまくご提案ができました。よかったよかった。

 

昔の民家には「箱階段」というのがありました。あれは段の横から使うものですので、ちょっと違いますが、そんな伝統の技術も頭にあったのが、今回の発想に活かされたのかなあ、と思ったりしました。

 

お客さまの暮らしのシーンに合わせて、そして住まいの寸法に合わせて、自由につくる家具。とても役に立つ、使い勝手の良い家具は、暮らしをとっても快適にしてくれます。「喜ばれる暮らしの実現」を目指すKJWORKSの木想家は、家具の延長線上に発想する家、という言い方もできるのかもしれませんね。