雨のにあう樹

2014.4.29|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日は一日、雨でしたね。私は先日と同様、モデルハウスでご来館のお客さま方の当番をしていました。そんな中、お客さまがふと途絶えた時、しとしとと降る雨の中で急に思い出した光景があったんです。

 

冒頭の写真がそれ。先日の社内旅行のオプショナルツアー「三島巡り」で西表島に渡った際、仲間川上流で見た巨木「先島蘇芳木(サキシマスオウノキ)」です。すごい迫力ですね。

 

マングローブの背後にある湿地林に生育するというサキシマスオウノキ。西表島に多くあるその中でも、この樹は推定樹齢350年とされる、日本最大と言われるものだそうです。

 

このうねうねと這う独特の根が、この樹の姿をますます特異にしていますね。これは「板根(ばんこん)」というもので、上部の大きな樹形を支えるための構造的な意味合いをもつのだとか。この樹の板根は、最大の高さが3mを超えています。根が、人間よりもずっと背が高い!

 

この板根のうねる形状、まさに樹のもつ力を象徴しているようです。そのせいなのかどうか、私はこのサキシマスオウノキを見た時に、「雨やったらもっと凄いやろなあ」と思ったんですね。

 

当日はよい天気で、陽光のもとで照葉の緑がきらきらと美しかったのですが、でも何だか、このちょっと棘々しい(おどろおどろしい)感じのこの板根のうねりには、雨で濡れていることがよく似合う。そんな気がしたんです。

 

きっとそれは、この根に漲る生命力がそう思わせたのかもしれません。スコールに濡れ、命の源である水のパワーを身につけている時、この木はさらにとんでもない迫力でその板根のうねりを見せてくれそうだ、と。

 

でも、残念ながら今回の旅ではその機会はありませんでした。今日のそぼ降る雨に、そのことを思い出したのです。あの巨木は今日、どんな感じなのかなあ、なんて。

 

でも、実際にそういう雨の時に見られたとしたら、この日本最大のサキシマスオウノキの姿は、ちょっと怖いかもしれませんね。その生命力に圧倒されて、もしかしたら夢に見てうなされるかも(笑)。

 

生命を育む雨と、それに濡れつつそれを吸い上げて育つ巨樹のイメージ。とても似合うと思いますが、まあ想像して楽しんでおくのがベターなのかもしれませんね。