秘密基地まで

2017.7.29|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 KJWORKS

 

〈子どもたちに喜んでもらえそうなスペースとその入る方法、つくっています。〉

 

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

 

今日は何やら、オレンジ色の把手の写真が出てきましたよ。これは竣工を迎える「木の保育園」の保育室に一か所だけある「ロフト」部分を撮ったものなんです。ロフトというより、むしろ中二階のような感じの狭い空間が上にあるんです。

 

 

そう書けば、この把手が何かはおわかりですね。はい、これは、写真上部左に見えるその入口まで子どもたちが上がっていくための「持ち手」というわけです。半円形の輪っかの形で、壁に左右交互に付いています。色は明るいオレンジ。

 

 

今までの木の家づくりでも、屋根の形状を利用したロフトはいくつもつくってきました。そして、そこへ上がるのに単に梯子を使うのではなく、例えばこういう輪っかのような、遊び心のある方法を設えたことも何度かありましたね。

 

 

持ち手とか登り棒のようなものを拵えたり、あるいはいわゆる「ボルダリング」の壁面をつくったことも。ロフトに行くのに壁面をよじ登っていくなんてとてもユニークだし、何とも楽しげではありませんか。子どもたちは大喜びです。

 

 

ではなぜ梯子よりこういうものが楽しいのか。私が思うに、それは「隠れ家感」が増すからではないでしょうか。もしくは「秘密基地」的に感じられるからと言ってもいい。この行きにくい手段がその感覚を増幅させてくれるんです。

 

 

子どもたちって、そういう「秘密基地」にこもって遊ぶのが大好きですよね。そしてその基地は、広々とした明るい場所ではダメなんです。行きにくくて、狭くて、ちょっと薄暗いような場所でないと「秘密」の感じが出ないですから。

 

 

今回の木の保育園では、広く面積をとった保育室にこうした小部屋がいくつも張り付く、という構成をとっています。それはやはり、子どもたちがそういう場が好きだからという理由で、そこがお客さまが大事にされている部分です。

 

 

今回気をつけたのは、一番下の一段目の位置です。これが床のすぐ上にあると年少の子どもも上がろうとして危険なので、園内で年長のお兄ちゃんお姉ちゃんだけが使えるように、という配慮をして高さ決めをおこないました。

 

 

また、一番上は左右同じ高さに輪っかがあります。横方向に「秘密基地」への入口があるので、最後は両手でしっかりと輪っかをもって入れるように、ということで。こういう時に、自分の子育ての経験が活かされたりしますね。

 

 

にじり口のような入口も、私にはかなり狭いですが、子どもたちはきっとヒョイヒョイと入っていくんだろうな。この輪っかを見ながら、ふと「腕白でもいい、逞しく育ってほしい」という古い古いフレーズが浮かんだ私でした。