雨の国でも

2017.8.3|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 KJWORKS

 

〈14年を経てなお美しい木の表情には、やはりそれなりの理由があるのです。〉

 

 

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

 

 

今日は朝から、築14年を数える木の家へメンテナンスにご訪問してきました。こちらは家全体の外壁が板張りの、まるで山荘のような雰囲気を湛えたお宅でして、年月を経たその味わいを私も行く度に楽しませてもらっているんです。

 

 

 

そして冒頭の写真は、メンテナンス工事場所のすぐ横、北西に面した勝手口まわりです。玄関の引戸と同じくこの勝手口にも無垢の木のドアが使われていて、周囲の板張り外壁と同様に美しく維持されています。築14年とは思えません。

 

 

 

勝手口には、私たちもアルミ製のドアを使うことが多いです。ドア内部に上げ下げ窓が付くタイプのものは戸締まりしても通風できるため、性能面では非常によろしい。しかしこの壁面に付く勝手口には、やはり木のドアが似合いますね。

 

 

 

このドアが今もこのように美しいままなのは、やはりその上に大きく張り出した庇のおかげでしょう。木材というものは、雨に濡れて乾くことを繰り返す内に、徐々にその色彩を失っていくものだから。腐るのとは違って、色が落ちる。

 

 

 

周囲の外壁も、よく見ると一番下は色が変わっていますが、上の方はまだ張ったばかりのような色合い。それは、この部分が平屋になっていて、すぐ上に屋根の軒があるからなのだと思います。勝手口庇の下は、壁の色も一番綺麗な感じ。

 

 

 

このお宅に来て板張りの外観を見るたびに、日本は雨と湿気の国なんだなあということを再認識しますが、しかしここまで書いてきた外壁板の色の問題は、まあそう言っても色だけのことです。木が傷んでいることとは違うんですね。

 

 

 

KJWORKSがつくる木の家には外壁の下に必ず「通気層」があるので、板は表と裏に空気の流れを受けて乾いていきます。木材というものは「濡れても乾く」のが最も大事で、濡れっぱなしになっているとすぐに腐食が始まってしまう。

 

 

 

ですから、この写真の美しい板張りの壁面は、その通気層があることと、すぐ上に軒があること、加えて言えばこの場所によく風が流れること、それらの合わせ技として、この14年の歳月を美しく生き延びてきたと言えるでしょう。

 

 

 

しかし外壁に付くドアは、庇などで極力濡れないようにつくる。勝手口から出る人間への雨も防ぐために庇はしっかりあるべきものですから、そう考えるならば木のドアでも問題ない。でも、久しく木の勝手口、やってないなあ。

 

 

 

いつしか、通風アルミドアがあたり前になっていたのかもしれません。通風は別に採るプランにしてまた使おう、今日はそう強く思いましたね。だって、雨の国・日本でもちゃんと美しく維持できる実例が、ここにあるのですから。