日向の夏

2017.8.17|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 KJWORKS

 

〈私の第二の故郷での夏を、少し振り返ってみております。〉

 

 

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

 

 

昨日は書評ブログでしたが、ここ何日かを過ごした奥さんの郷、宮崎でのお盆休みのことも今日は少し書いてみようと思います。関西とはだいぶ違うところもあるし、皆さんにそうした部分を知ってほしいという気持ちもありますので。

 

 

 

まず、宮崎県は南九州にありますから、気温は関西よりも高めです。でもそれを私が実感するのは、主としてお正月に帰省する時ですね。冬は暖かいなあ、と思いますが、夏は暑いなあ、とはあまり思いません。過ごし難いとも思わない。

 

 

 

それは主に、関西のような湿気がないからでしょう。日なたは暑いけれど、日陰は涼しいのです。奥さんの実家は宮崎市内ですが、海からの風が吹いています。まるでお風呂の湯気の中にいるような関西の夏とは空気がだいぶ違うんですね。

 

 

 

とはいえ、日射の強さは正直半端ではありません。そこで奪われる体力を補う意味で、南九州の食文化は全般的に甘い味付けだと言います。確かにお醤油などは非常に甘くて、私も当初は違和感がありました。今はすっかりその虜ですが。

 

 

 

そう言えば、宮崎では沖縄と同様、古くからゴーヤも食べられていて、当地では「ニガゴリ」と呼ばれています。酢の物から炒め物まで色んな調理法がありますが、これも夏の体力を補う暑い地域の工夫でしょう。実に美味しいのです。

 

 

 

そして宮崎の夏といえば、という名物料理が今日の写真、「冷や汁(ひやしる)」です。最近は一般的にも知られてきましたね、夏バテ解消料理として。その名の通り、冷たい汁を熱いご飯に掛けて食べる、彼の地の夏の食べものです。

 

 

 

具材は胡瓜や大葉などで、その汁がまさに栄養たっぷり。いりこや鯵など焼き魚の身、胡麻、つぶした豆腐などをすり鉢で摺って混ぜ、出汁でとくのですね。私がいつも食べている実家の義母のレシピでは、南京豆の摺ったのが入ります。

 

 

 

あと、宮崎県は非常に広く、食材において県内での「地産地消」がほぼ完全に出来ているという点も見逃せませんね。小学校の給食の食材自給率は100%だそうで、私はこの歳になってそのことの凄さにようやく気づいたのでした。

 

 

 

食べ物のことばかりになりましたが、実はそれらを育む自然豊かな環境こそが、彼の地の最大の強みなのかも。お盆の帰省では実家から歩いても行ける海水浴場、そして国富町というところでの川遊びが私たち家族の最大の癒やしです。

 

 

 

それを「田舎」と言ってしまえば、単にそれだけ。しかしそこにある大いなる豊かさに、私は年齢を経るごとに惹かれる気持ちが強くなるのを感じます。そしてそれは、宮崎で暮らす皆さんの、ゆったりとした大らかな人間性にも同様に。

 

 

 

宮崎に限らず、いわゆる田舎には、上記のような昔からある豊かさが今も残っているのでしょう。しかしどの地域も「過密と過疎」という宿命に晒されているというのもまた事実。利便性を求める人々の動向が地域を徐々に衰えさせる。

 

 

 

しかし今のところ、宮崎で過ごす日々ではそんな切迫感は全く感じられません。皆が自然とバランスをとって暮らしているかに見える。「日向時間(ひゅうがじかん)」と県人たちが呼ぶあのゆったりとした時間感覚がそう見せるのか。

 

 

 

この夏も、やはり同様の想いを致しました。色々あっても大きくは「平和」な感じ、というか。気候風土と県民性というのも密接に関わっているはずですが、その解明はまだこれから。最終的には老後の私が移住してからだと思う次第です。