かたちのてまえ

2017.8.21|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 KJWORKS

 

〈モノのつくり方も色々あり、つくり方の考え方も色々あります。〉

 

 

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。今日はとりとめのない思考の軌跡を開示してみます。

 

 

 

このところ、ものづくりにおける「設計」とは一体なんだろうか、ということを連々と考えています。「設計」という言葉がその内に含んでいる意味というのは、実際には非常に広範囲なものだ、ということに改めて思い至っている次第。

 

 

 

私は建築設計に従事する者ですが、建築設計という行為においても、実は色んなフェーズがあるのですね。最初の「着想、発想」というレベルから、「構想」と言うべき少し肉付けされたものを経て、次に「計画」という段階に至る。

 

 

 

「計画」から「設計」へと進む中で「図面」という3次元構築物を2次元に投影した絵が登場してきます。それは構想された3次元空間を、構想した人間以外の人(建築主や建設作業従事者)に伝達するためにあると言っていいでしょう。

 

 

 

と、こういう風に書いていても、実際にその言葉で私が意図することが皆さんに伝わっているのか、ちょっと心許無いというのが正直なところ。ということで、以下にいくつか辞典の引用を。これらは全て「設計」に含まれる気がします。

 

 

 

そうぞう【創造】《名・ス他》
1.最初に作り出すこと。
2.神が宇宙を作ること。 「天地―」
3.人まねでなく、新しいものを自分から作り出すこと。 「―的能力」

 

 

 

はっそう【発想】《名・ス自他》
1.思いつくこと。思いつき。 「いい―だ」
2.心に起こった考えをまとまった形にすること。 「―法」
3.音楽で、曲の気分・緩急・強弱などを演奏で表現すること。 「―記号」

 

 

 

こうそう【構想】《名・ス他》
ものごとの全体としての内容、それを実現するための方法などについて、考えをめぐらし組み立てること。その組立て。 「国家のシステムを―する」

 

 

 

デザイン《名・ス他》
設計。図案。意匠。また、製品の機能や美的造形を考慮した意匠計画。

 

 

 

せっけい【設計】《名・ス他》
ある目的を具体化するためのもくろみ。特に、土木・建築工事や機器などの製作の計画を図面や計算書などで具体化すること。 「建物を―する」

 

 

 

どうでしょうか。読んでもやっぱりよくわかりませんね(笑)。しかし、狭義の「設計」についての記述がすぐ上のものだとすれば、広義の「設計」とは、ここに挙げたすべてを含む行為であろう、実際にやっていてそう思うのです。

 

 

 

ちなみに「建築士」とは、「建築物の設計及び工事監理を行う職業、あるいはその資格を持った者」とのこと。私は一級建築士の資格をもっており、KJWORKSの阪神支店であると同時に、ひとつの一級建築士事務所でもあるんですよ。

 

 

 

そして一級建築士の資格をもつ人たちの中でも、構想や発想を得意とする者もいれば、建設のための詳細な図面づくりに才を発揮するものもいる。しかし、実際のモノはなくても、それら全てが「ものづくり」のための創造的行為でしょう。

 

 

 

ちなみに今日の写真は、ガウディ設計のサグラダ・ファミリアです。2026年ついに完成するこの建物は、当初の設計図に沿ってつくられているのではありません。「ガウディならどうしたか」という発想法で、考えながらつくっている。

 

 

 

要は、設計といっても色々な思考のタイプがある。漠然としたイメージを浮かべる思考もあり、帰納、演繹、仮設形成、さまざまな方法を駆使してそれを叩き、構造や法規にも当てはめながら実際の建築へと着地させるための思考もある。

 

 

 

建築がかたちになる前に、さほどに膨大な思考が積み上がっている。かたちの手前にある創造的・想像的な思考の全体こそが「設計」なのでしょうし、私自身は「発想」的設計に磨いてきたスキルで、今後も社会貢献したく思うのです。