一戸だけ住宅

2017.8.30|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 KJWORKS

 

〈久しぶりに施工事例集をながめ、探しもの以外にも色んな過去の時間を見つけました。〉

 

 

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

 

 

今日、お客さまにお見せする「イメージ写真」を、過去の事例写真から探していたんです。でも、自分の記憶にはあるその写真が、PCの中にどうしても見つかりません。あの写真が提案している空間イメージにぴったりなんだけどなあ。

 

 

 

さんざん探して見つからず、もう諦めかけた時、ピカッと閃きました。そや、うちのHPに載ってたかも!で、早速新しくなったKJWORKSウェブサイトの「施工事例」のページを見たら、うん、あるある。もっと早く気づけばよかった。

 

 

 

で、そのイメージ写真をゲットした後も、何だか気になってしばらく「施工事例」ページにある木の家たちを眺めていました。冒頭の写真はその一部、戸建新築の「小国杉の家」がズラッと並ぶページ。当然、同じ家はひとつもありません。

 

 

 

ここに載っている木の家、その多くは私が間取りを担当させていただいたお宅です。どれも違った敷地、違った住まい手さんに、違ったそのお好みを採り入れてつくりますから、木の家と一言でいっても、皆その家ならではの味わいです。

 

 

 

間取りが違うということだけでなく、床の無垢板の素材も違い、壁や天井のいわゆる「木視率(もくしりつ:木材がどれくらいの見えているかの割合)」も違い、造付家具の見せ方も違い、さらには住んでからの置き家具の種類も違う。

 

 

 

どんなジャンルでもそうかもしれませんが、あまり興味のない人にはどれも同じに見える。しかしそれが好きな人にとっては、その細かな違いが感じられるものですよね。私はプロで、かつプランをつくった本人ですから、なおさらです。

 

 

 

最近「木の保育園」でちと慌ただしく、今までつくってきた家をこうして俯瞰するという時間が久しくもてていなかったなあ。そんなことを感じつつ、各々の木の家の個性を味わい、それをつくっていた時間を懐かしく想い出していました。

 

 

 

どの木の家にも、そこだけの想い出があります。敷地を初めて見た時、お客さまから家づくりのご要望をお聞きした時、そしてそれを自分なりに形にした間取りご提案の時。実施設計の打合せ、地鎮祭、現場打合せ、上棟式など、など。

 

 

 

KJWORKSと家づくりをしてくださった各々のお客さまにとっては、その家が無論世界でひとつだけの自分たちの家です。でも、今までたくさんの木の家をつくってきた私にとってもそれは一回限り、世界でひとつだけの家なんですね。

 

 

 

なんだかあたり前なことを書いていますが、でもそれはあたり前であって、かつ最も大事なことなのではないか。想い出深い家たちを見返していて、そう思いました。世界でここだけ、世界で私たちだけの木の家を提供することの意義を。

 

 

 

今日のタイトルは、そんなことを想った時に、ふと浮かんだ洒落です。一回こっきりであり、他にないこの敷地であり、他ならぬ私たちだけの、他にはない木の家。世界で一戸だけ、住まい手とつくり手が「一期一会」の心でつくる家。

 

 

 

そういう想いでつくってきた木の家たちからは、後から見返した時の自分の置かれた状況によって、その想い出が新たな発想を呼ぶことがあります。「温故知新」ではありませんが、それは経験の引出しを開けて新しく活かすことなのかも。

 

 

 

注文住宅をつくるという志事に永く従事していて、上のような大事なことを時々忘れかけ、また想い出し、を繰り返している気がします。「イメージ写真」が見つかったように、過去の経験の中から今の課題の解決策が見つかることもある。

 

 

 

こういうことは、記録しておけば大丈夫、という類の話でもない。時々過去の時間をたずねてみて、その一期一会から今の出会いに活かせる素材を探すしかなく、こうした「事例集」にはその入口の役目もある、ということなのでしょうね。