常識をつきぬけて

2017.9.1|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 KJWORKS

 

〈国産の新発想が業界の地図を塗り替えた、そのクリエイションに脱帽です。〉

 

 

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

 

 

今日はまた「東洋経済オンライン」記事からのピックアップ。私の好きな「ものづくり」のお話です。皆さんは写真の「ホンダジェット」をご存知でしょうか?先ごろついに「販売世界一」を達成した国産の小型ビジネスジェット機です。

 

 

 

米セスナ社を抜いて世界一に躍り出たこの小型ジェット、やはり見た目に異彩を放つのは、そのジェットエンジンの位置でしょう。機体の後部でもなく、両翼下部でもない。翼の上に飛び出た、今まで誰も見たことのないそのかたち。

 

 

 

今回の記事では、2017年上半期に世界一の出荷数24機を達成し、現在月産4機、近く6~7機を達成するというその「世界一」の理由とはなにか、という記事だったんです。そのあり方が私には非常に興味深く、教えられる気がしました。

 

 

 

まず、無論そのジェット機としての性能がずば抜けている。今までにない主翼上面搭載のエンジンがもたらす最高速度、最大運用高度、上昇性能、燃費性能などは非常に高く、ホンダがもつ軽量化技術がふんだんに活かされている、と。

 

 

 

また、そのエンジン位置は室内の広さにも貢献し、高級感ある内装も人気とか。トイレが別部屋というのも異例だと。それに加え、知らない人には意外ですが「色が3種類から選べる」のも小型ジェット機市場では異例なのだそうですね。

 

 

 

要するにホンダは、クルマのつくり方でジェット機をつくったということ。軽量化技術も、内装も、色のセレクトも、ジェット機業界の「あたり前」を突き抜けたところで実現した「空飛ぶクルマ」だと、その記事には謳われていました。

 

 

 

どの業界でもそうかもしれませんが、近い位置にあるはずの2つの業界でも、実は全く違う常識が通用していて、その間に情報の交流が全くなかったりする。クルマとジェット機も、つくり手が違えばその発想も全く違っていたのでしょう。

 

 

 

しかし「近い業界からの参入者」には、そうであればこその問題点、改善点が見える。ずっとその業界にいる者からは見えない、「あたり前」に隠れてしまっている改善の種、改善の芽が見える。それはまさに眼の転換といえる出来事です。

 

 

 

ホンダジェットの場合もそうした眼の転換からの新しい発想でものづくりを始めたものでしたが、途中やはり実が成らず、撤退の危機もあったとか。でも、そこでホンダという会社のオリジナリティがその崖っぷちからメンバーを救う。

 

 

 

「クリエイションは個の発想から生まれます。重要なのは個の発想を生かすこと。クリエイションの小さな芽は、カネとか権力をかざしたとたんに枯れてしまう。研究所は、この小さな芽を生かすことをメインに置かなければいけない」

 

 

 

これは本田技術研究所でホンダジェットの開発に携わった技術者のことば。奇人・変人・怪人がもてはやされ、強烈に「個性」を重んじるという技術屋集団としてのホンダ、その底力がこの小型ジェット機を生んだと言っていいでしょう。

 

 

 

この記事から「常識を疑う」「空隙に潜む可能性を見る」「それを丁寧に技術検証する」という、「新しさ」を生むものづくりの極意が見える気がしました。そしてそれこそ「ワクワク」という名の醍醐味であることも再認識した私でした。