施工の時節

2017.9.23|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 KJWORKS

 

〈久しぶりのご訪問で、デッキ板の「替えどき」をお話しました。〉

 

 

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

 

 

今日は、芦屋の奥池にある木の家の住まい手さんをご訪問してきました。建物内部でちょっとしたメンテ工事があって。私自身が手配した工事ではないのですが、「家守り」担当者としては家の履歴として知っておくべきことですので。

 

 

 

私もこちらへは久しぶりのご訪問。職人さんが作業をしてくれている間に、他に気になっているところはありませんか、とお客さまとお話を。収納建具のスライド丁番の微調整など、細かい作業も自分でやれるものは併せておこないます。

 

 

 

大きな困り事は特に無いようでしたが、以前からお聞きしている「外部デッキの板の張替え」の話が今回もありました。写真がその場所で、かなり傷んでいる板が何枚か。「そろそろやったほうがいいよね?」とのお話に、そうですね、と。

 

 

 

デッキの板は、雨に濡れる部位は徐々に傷んできます。といっても自然素材である板には「個性」があるので、傷みが早いもの遅いもの、さまざまです。築12年目のこのデッキも全て替える必要はないですが、何枚かは時期がきている感じ。

 

 

 

じゃあ、いつ替えましょうか。いつがいいの?というやり取りがあって、まあやはり外廻りの工事でもあり、雨の少ない気候のいい時期がいいですよね、と。具体的には春か秋、それも雨の時期を過ぎた頃がいいのでは、とお話しました。

 

 

 

春には3月下旬から4月上旬に雨の多い時期があって、「菜種梅雨」なんて言ったりします。また「秋の長雨」はちょうど今の時期。9月の中旬頃から10月の上旬に停滞する前線がもたらす長雨の候、「秋霖」という美しい言葉もありますね。

 

 

 

外廻りの工事は真夏も真冬もしにくいもの。それを避け、かつ春と秋の雨がちな時期を避け、となると、いわゆる行楽のシーズンということでしょうか。そんなお話をさせていただいて、では来年の春、暖かくなったらやりましょう、と。

 

 

 

こうした外廻りの工事に向く時期も含めて、家づくりの時期設定には、やはり季節に上手く合わせた方がよいことが色々あります。施工期間とそれぞれの節目を季節の気候に合わせることができれば、施工がスムーズに進むということが。

 

 

 

KJWORKSで、昔ながらの方法で大工さんがコツコツと建てていく方式だと、家づくりには約半年くらいかかります。例えば4月、菜種梅雨が終わった頃に着工すると、気候のよい時期に基礎のコンクリートを打つことが出来ますね。

 

 

 

その場合、梅雨が来る前に建て方を終え、屋根をつくることが出来る。そして今度は暑くなってくる前にサッシや断熱材を施工できれば、屋内の施工環境はずいぶん違うのです。作業環境がよい即ち仕事がしやすく、よい仕事になります。

 

 

 

そして暑い夏が過ぎて過ごしやすくなってきた頃、最後の外構工事がおこなわれます。秋の長雨とは調整が必要ですが、作業環境として最悪な真夏の外構よりはずっといい。そして気候のよい時期にお引渡し、お引っ越しという感じで。

 

 

 

これ、半年ずれて秋スタートでも上手く回る気がします。まあ、全ての現場がその通りに着工できることは少ないのですが、職人さんの作業環境を良好に確保するという眼でみると、季節による向き不向きはある、ということですね。

 

 

 

今日のタイトルに使った「時節」という言葉、これには2つの意味があって、ひとつは「季節、時候」という意味。そしてもうひとつは「時機、チャンス」という意味。そのことが今日のお話にぴったりだと思ってお題に使いました。

 

 

 

日本の住宅はもちろん日本の気候に合った家であるべきと考えますが、その建てるタイミングについても、出来れば時節を見極めておこなえれば最高だと思います。季節のあり方を見極め、そして施工するチャンスをそこに合わせられれば。

 

 

 

デッキの板ひとつにも時節の向き不向きがあり、家づくりにもそれは大きな意味をもっています。自然界に構築される以上あたり前のことかもしれませんが、昨今そのあたり前が無視されている気もして、あえて今日は綴ってみた次第です。