泊まりの多様化

2017.9.28|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 KJWORKS

 

〈色んな宿泊の業態が生まれてくることで、業界が活性化し建物も活かせるのはよい話です。〉

 

 

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

 

 

今日、Facebookで面白い記事がシェアされているのを見つけました。不動産の志事をされている「友達」が情報共有しておられたその記事は、此花区は西九条に出来た「SEKAI HOTEL(セカイホテル)」という名のホテルのことでした。

 

 

 

ホテルといっても、街に点在する「空き家」を改修して客室にし、そこに宿泊してもらうという、ちょっとかわった業態です。いわば「施設に泊まる」ではなく、「街に泊まる」ということをコンセプトにしている。その街を愉しむために。

 

 

 

今日目に止まったその記事の施設だけでなく、以前から徐々にこの業態は増えているようです。私は家をつくることが志事ですので、昨今深刻化している「空き家」問題はとても気になるし、その一種の打開策としてそれらを見ています。

 

 

 

こうした「ホテルの機能を街に点在させる」という新しい宿泊業態は、昨今の「民泊」とはだいぶ違いますね。私自身は民泊にはとても危険な側面があると感じることもあり、こういう本来のプロが新業態に乗り出す方が安心な感じです。

 

 

 

この「泊まって街を愉しむ」やり方は西九条以外にも色々とあって、例えば東京は谷中の「hanare(ハナレ)」や、丹波篠山の「篠山城下町ホテルNIPPONIA(ニッポニア)」などは人気のようですよ。篠山のは私も一度泊まってみたい。

 

 

 

これは築100年以上を筆頭に古民家5軒をリノベーションしたもので、元々の建物がもっているポテンシャルが非常に高い。冒頭の写真はその客室の様子で、とてもよい雰囲気。ここに泊まって街を歩いてみたいと思わせる力があります。

 

 

 

でも、そんな古民家でなくても、日本の古い木造住宅にはそうしたリノベによって高めうるポテンシャルがあると思います。西九条のセカイホテルもその点を意識したものでしょうし、そういう「空き家」は街にまだたくさん存在している。

 

 

 

でも、一方でその改修方法に問題を生じる可能性があることもまた事実で、そこが民泊ではない「宿泊施設」の難しいところなのかも。確か群馬県の事例で、建物の改修内容が不充分だったため計画が頓挫したというニュースもありました。

 

 

 

今回のセカイホテルのように、「空き家」の問題に一石を投じる可能性をもった新しい宿泊のかたち。しかし単なる住宅としてのリノベーションよりも厳しい規制が横たわっているなら、その拡散の勢いは鈍ってしまいがちですよね。

 

 

 

先日もシェアハウスへのリノベを推進する階段の規制緩和のことを書きましたが、インバウンド対策と空き家対策の融合とも言えるこうした新業態には、旧態依然とした規制のあり方では対処しきれず、何かが犠牲になるのではないか。

 

 

 

ホテルとは、毎日住まい手がかわる住宅のようなものなのだから、そういう視点をもってこうした新業態で街を活性化させることを応援すべき。最近施設に対する規制の厳しさに困っているものとしては、そう強く想う次第です。