クラシックへ入門

2011.1.7|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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いつもお読みいただきありがとうございます。

 

ある程度歳をとったら、始めていきたい。以前からそう思っていたものが、いくつかあります。

 

たとえば「器(収集)」。たとえば「日本酒」。例えば「クラシック」。

 

そんな中で、今までの私に一番縁がなかったのが「クラシック」なんですが、最近、プライベートでその方面のお仕事の方と知遇を得ることができたのをきっかけに、ついにその世界に足を踏み入れました。クラシックへ入門です。

 

全く音楽的な素養のない「視覚人間」の私。クラシックとのご縁も中学校の音楽の授業が最後でした。でも「奥深いであろうモノ」として興味があったんです。で、このところ少しずつではありますが聴き始め、また知識のほうでもほんの少し勉強をし始めています。

 

やはりこういうものは若い頃よりも、ある程度歳を経てからの方がとっつきやすいのかもしれませんね。割にすんなりと入っていけて、わからないなりに、素人なりに楽しく聴くことができています。

 

聴き始めて思うことは、まず「クラシックは驚くほど我々の生活に入り込んでいる」ということ。なんといっても200年前の曲、なんてのがざらにありますから、著作権の問題もあまり気にせず使えるんですね。ドラマやCMなど、かなりの頻度で使われているんだということを、改めて感じました。

 

誰でも聞いたことがあるような「あの曲」が、誰の作曲による何という曲かがわかる。そんなことを楽しんでいる段階、なのであります。 まだ序の口なんです。

 

もうひとつ、聴くほどに感じるのは、クラシック、特に交響曲(シンフォニー)とか協奏曲(コンチェルト)というようなオーケストラのための楽曲は、とても建築に似ている、ということですね。

 

弦楽器、管楽器、打楽器、それぞれにいくつも種類があります。それぞれの楽器がもつ音の特徴を活かすように組み合わせることは、建物を建てるときに素材の持ち味を活かして使うことと似ていますね。そして、その組み合わせ方は、「楽譜」という設計図に書いてあるのです。 オーケストラのための何段もある楽譜は、まさに「詳細図」って感じですよ。

 

そしてクラシックには、調性や和音といったルールが厳格に存在しています。そのルールの根本には「数学」があり、そして「こういうルールで音楽にすれば、人間はこのように感じる」といった感じで、人の感性と数学とが一緒になってルール化されているんですね。

 

これも、建築の世界で「プロポーション」とか「オーダー」といったいわゆる「比例」のルールと、とてもよく似ていると感じます。オーダーは特に古代の西洋建築で重んじられたものですが、「このような寸法で組み合わせれば人は美しいと感じる」というルールですから、同じですね。

 

やはり西洋人の皆さんは、ものの考え方がそういう感じなんだな、クラシックを聴き始めて、とてもそう思います。

 

さらに言うと、いくら設計図に表しても、表しきれない部分が「現場で発生する」というのも、まさに一緒!

 

色々書いていますが、要は私が建築の世界にいるが故にそんなことを感じられて、クラシックを少し身近に思えているのかもしれない。そのことがとても今、楽しいわけなんです。

 

建築の世界には「建築は凍れる音楽である」なんて気取った言い方があるようです。私自身は、特に住宅はそうではなくて、毎日のご飯に近いものではないかと思っているのですが、まあそれはさておき、これは言えると今思っています。「クラシックは、音による建築である」と。

 

いずれ始める他のジャンルの新しい世界も、また私に何かを与えてくれるのでしょうね。今から楽しみであります。