ヒゲを求めて

2011.1.20|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

セミクジラ

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

画像のような「からくり人形」、あるいは人形浄瑠璃の人形などの製作には、そのからくりを操る「ばね」が生命なんだそうです。写真にもそのばねが少し写っていますが、このばね、金属ではなくて、なんとクジラのヒゲでできているんだそうですね!

 

これらの伝統人形の生命感あふれる動き、これは独特の弾性があるセミクジラのひげによって、初めて実現されるもので、他の素材では絶対に代用できないのだとか。

 

しかし、セミクジラは現在、国際的に捕獲禁止の生き物です。材料の確保は、基本的にできないのです。では、日本が誇る伝統工芸のひとつ「からくり人形」の未来は一体どうなるのか?何だか不安になってきますね。

 

国によって保護されている芸能である「文楽」でさえ、何とかあと100年分の備蓄があるのみだとか。ましてや民間の工房などでは、もっともっと厳しい状況のようです。

 

福島県二本松市で伝統人形の工房を営む斎藤さんも、その材料確保に難儀しておられる一人でした。そこで新聞を通じて情報を求めたところ、このたび仙台から、2本のヒゲの寄贈があったとか。いやめでたいことです!

 

環境省野生生物課によると、セミクジラ類のひげはワシントン条約で国際取引は原則禁止。しかし、種の保存法の規制対象外ということで国内での譲渡・流通は問題ないんだそうです。

 

こんなニュースを読んで、もっとどこかに「埋れている」ヒゲの発掘につながればと思います。また、セミクジラが浜に打ち上げられた場合などにヒゲを確保、保管する仕組みが、このような職種の方のためにも望まれますね。

 

実は私、子供の頃、おじいちゃんの家にクジラのヒゲがあったような気がするんです。その頃はそんなこと知る由もありませんが、あれも実は貴重な材料としての価値があるものだったんですね。

 

そんな方、他にもきっとおられるような気がします。見つけたら、日本の「からくり人形」の存続のために役立てましょう!