もみ殻の炭から

2011.2.15|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

もみがら活性炭

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

KJWORKSでは、吸放湿性能をもった左官材料、たとえば「漆喰」や「美ら珊瑚」といったものを建物の壁に施工し、「きれいな空気の家」をつくろうとしています。

 

その吸放湿性能、あるいは臭い成分の吸着性能には、その「多孔質」という特徴が大きなポイントになるのですが、さらにその上をいく多孔質材料に、「活性炭」というものがあります。

 

活性炭とはその微細な穴(細孔)に多くの物質を吸着させる性質をもつ、大部分が炭素からなる物質のことです。その性質を利用して、脱臭、水質浄化、毒物中毒における毒の吸着等に用いられているんですね。私などは、活性炭と聞くと「キムコ」という単語が頭に浮かぶ世代であります(笑)。

 

その活性炭の世界に、素晴らしいニューフェイスが開発されたというニュースがありました。それは、農協などで処分に困っているという稲の「もみ殻」を使ったもの。今までにない高性能な活性炭だといいます。

 

といっても、単にもみ殻を炭にしただけでは活性炭にはならないのです。そこに残った二酸化ケイ素がジャマをするため、だそうです。今回はこれを水酸化カリウムなどと混ぜて熱処理することで、うまく二酸化ケイ素を取り除くことに成功した、とのこと。

 

このもみ殻活性炭の表面には、直径1.1ナノメートルの超微細な穴が大量にできています。ナノメートルというのは10億分の1メートルですこの穴によって表面積が劇的に増え、他の物質への吸着力が飛躍的に向上するんですね。

 

驚くなかれ、このもみ殻活性炭、たった1グラムがもつ表面積は、2500平方メートルだといいます!普段100平方メートルとか150平方メートルとかいった床面積の住宅を設計している私、その25棟分の面積が、1グラムに!?

 

この驚異の表面積が、高い高い吸着性能を生むわけですね。この性能、一般的な活性炭の2.5倍といいますから、このニューフェイス、なかなかやります。

 

なんといっても、私たちの主食、米を生産した残りの材料からできるというのがいいですよね。米を自給自足し、そしてそのもみ殻からは水質浄化や温室効果ガスなどの排出抑制に有効な活性炭を生産する。とてもいい話です。

 

さらに、この活性炭という材料、大量の水素を吸着させることで燃料電池の材料にもなるのだそうです。なんともエコな未来への展望を開く、素晴らしい材料ではありませんか。

 

何か、毎日もっと米を食べようかな、なんて気にもなるニュースでした。早期の実用化が待たれます!