ホワイトスペースの有効活用

2011.4.9|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

ホワイトスペース

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

総務省が、25の「ホワイトスペース特区」を決定したと発表した、というニュースを読んで、興味をもちました。というか、「ホワイトスペース」って一体何?という、好奇心なんですが…。

 

早速調べてみると、 この「ホワイトスペース」というのは、放送関連の用語なんですね。語義として、「ある目的のために割り当てられているが、時間的・地理的・技術的な条件によって、他の目的にも利用可能な周波数のこと」とあります。

 

実際使われている意味合いで言うと、テレビ放送用電波の空き部分である「隙間周波数」のことのようです。日本ではテレビ放送用の電波(VHFやUHF)を40チャンネルほどの周波数に分けて、それぞれの放送局に利用の免許を与えているのですが、ある地域で実際に放送されているのはVHF・UHF合わせてもせいぜい10チャンネルほどですから、残り30チャンネルは使われていないわけです。

 

なぜこうなるかというと、地域ごとにチャンネルを飛び飛びにすることで、混信を防ぐという意味があるんですね。そして、この未使用部分をホワイトスペースと呼んでいる、というわけなんです。

 

なるほど、意味はわかりましたが、ではなぜそれを総務省がわざわざ「ホワイトスペース特区」などと大きく取り上げるのか?

 

全国的に見ても、テレビ1~2チャンネル分の利用可能なホワイトスペースが存在しているそうで、このような未利用の周波数を有効利用して、地域活性化や新産業の創出につなげていこう、というのが、総務省の狙いなんですね。

 

テレビに割り当てられている周波数というのは、伝播特性に優れた大変使い勝手の良い帯域なのだそうで、それを、周波数割当を受けた放送事業者や携帯電話事業者といった従来の事業者以外にも門戸を広げて活用を促し、ワイヤレス関連ビジネスを大きく飛躍させよう、ということのようです。

 

写真は、その総務省の募集に対して応募があったホワイトスペースの活用法を表したものだそうで、このような新しい活用を試みる地域が、「ホワイトスペース特区」として認定された、というのが、今回のニュースの中身でありました。

 

実はこのようなホワイトスペースの活用は、日本だけでなく世界的に動き始めている話のようです。アメリカなども同様のホワイトスペース活用を進めているそうですね。

 

今回調べてみて思ったのですが、やはりアメリカと日本はやり方が違う、ということを強く感じましたね。アメリカの場合、このホワイトスペースは、いくつかの条件はあるものの、自由に開放されたのだそうです。そこでの自由競争を促すことで、通信業界にイノベーションを産み出そうという思惑が感じられます。

 

それに対して日本は、「公募」という方法で、自分たちが選ぶという手続きをはずさなかった。結局は大きな変化は生まれず、従来とそう変わらない通信事業者が増える、という結果になりかねないのではないでしょうか。しかも、今回の東日本大震災の発生を受けて、「震災など非常時における緊急情報等の配信の実証」という条件もつけた上での特区認定なんです。

 

それが悪い、とまでは言わないのですが、いまや通信というのは双方向の時代。今回の特区認定についても、実情は全て「お上」が決めた従来通りの「配信」「放送」という一方向の通信の域を出ていないようなのが、残念ですね。

 

通信の未来は、この情報化社会においてその国の将来に大きく影響するものだと思います。今回のホワイトスペース特区というもの、かえって日本の情報面での成長戦略にブレーキとならなければいいんだけど。そんな気がします。