避難所での「間仕切り」

2011.4.13|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

TKY201104060259

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

東日本大震災での被災者の皆様に、一日も早く安らかな暮らしが戻りますこと、心よりお祈りいたします。

 

被災地の方々がたくさん住まわれている避難所。その避難所での生活の質を向上させることに、ある建築家の提案が大きく貢献している事例をご紹介します。

 

避難所での生活では、プライバシーの確保が難しく、周りの視線が常にある中での暮らしで気疲れしてしまわれる方も多いようです。それを何とかしたいと、筒状の紙管を使った「紙の建築」で知られる建築家の坂茂(ばんしげる)氏が、得意の紙管を使った間仕切りを考案されたんですね。

 

写真がそれで、山形市落合町の市総合スポーツセンターの避難所で設置されたものです。柱となる直径約10センチ長さ2メートルほどの紙管に穴をあけ、細い紙管を通して梁を構成します。そしてこの梁から安全ピンを使って布をつり、カーテンにするという考えです。

 

カーテン、というところがミソのようで、 着替えをおこなう場合などのプライバシーはしっかりと保てる一方、昼間はカーテンを開けて、周囲の人と会話をしたり、テレビを見たりもできる。その開閉の自在さがポイントで、避難所の建物内に設置することが想定された仕組みなんですね。

 

紙管は切断するのも簡単で、家族の大きさに合わせて設置することができます。4×4メートルほどの間仕切りなら10分ほどで完成し、費用は2万円ほどだそうです。その費用はすべて義援金でまかなう計画、とのことです。

 

ひとは一人では生きられませんが、でも、一人でいたいときもあるもの。避難所という仮の生活の中でも、プライバシーが保たれることでの「安心感」はたいへんなものだろうと感じます。

 

簡易な仕組みでそれを実現し、より安らかな暮らしを提供したい、というこの提案に、心から拍手を贈りたいと思います。