旧大阪市立博物館

2011.4.16|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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いつもお読みいただきありがとうございます。

 

先日、大阪城公園へ桜を見に行く機会があったのですが、その時に公園内、天守閣のすぐそばにあるこの建物を、久しぶりに見たんです。

 

この建物、私の記憶では「大阪市立博物館」だったのですが、その時にはもう使われていませんでした。気になって少し調べてみたら、もう平成13年に閉館していたんですね。立派な様式建築の博物館、という記憶がそのままあったので、惜しいなあ、と思ったものでした。

 

この建物は、1931年に竣工したもので、元は陸軍第四師団司令部としてつくられたものだそうです。大阪城公園の整備と大阪城天守閣の復興とともに、昭和天皇即位の記念事業の一環としての事業だったようですね。戦後は、府警本部として使われた後、市立博物館として昭和35年にオープンしたそうです。

 

外観は左右対称のロマネスク様式。ノルマン地方の古城の意匠を取り入れたという、中世ヨーロッパ城郭風の重厚な外観。外壁に張られた褐色のスクラッチタイル(引っ掻き筋のあるデザインのタイル)が印象的な建物ですね。

 

では、なぜこのような立派な建物が、閉館したまま10年近くも放置されているのか。私は全然知りませんでしたが、大阪市が民間への貸与を模索したまま、実際には暗礁に乗り上げている状況、なのだそうです。

 

平松市長が就任後すぐに打ち出した「政策推進ビジョン」の中の目玉施策として、この建物をホテルやレストランなどとして民間に貸与するという案を提示したのですが、運悪く時期が「リーマン・ショック」と重なってしまいました。

 

民間企業は一気に大型投資に対して慎重になり、市の思惑ははずれてしまったということです。実際のところ、「計画はまだ入口で止まっている状態(市担当者)」だそうで、民間からの投資を公募する見通しも立っていない、のだとか。

 

確かに、総床面積7000平方メートルの改装と耐震補強の工事、再利用するまでにはかなりのコストがかかりそうです。

 

しかし、大阪城公園の中にあって、天守閣まで100メートルという、まさに最高のロケーションにある建物、そして歴史を見つめてきた立派な建物なのですから、建築関係者としては、是非なんとか保存・活用の道を見つけてあげたいですね。

 

おそらく再利用するとすれば、ホテルやレストランなどが向いているのでしょう。建物は使ってこそ意味があるのですから、単なる保存だけでなく、こうした新しい用途を見つけてあげて活用できれば、必ず商売としても成功し、繁盛するだろうに、と思う次第です。

 

どなたか、手を挙げてくださる企業さんは、おられないものでしょうか、ねえ。