覆いの中の世界遺産

2011.5.8|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

世界遺産登録

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

今回は、世界遺産登録に王手を掛けたと報道のあった、東北の名建築を。

 

奥州平泉にある中尊寺です。12世紀に東北地方で繁栄し栄華を極めた奥州藤原氏が築いたものです。

 

仏教では、心身ともに苦しみのない理想郷を「浄土」と称しています。中尊寺ではその思想が、建築や庭園によって空間的に表現されているのだそうですよ。

中でも有名なのが「金色堂」。国宝指定されている建物です。写真がそれなのですが、正直あまりパッとしない建物ですよね。それもそのはず、実はこの建物は金色堂ではありません。これは「覆堂(おおいどう)」と言って、金色堂を守るシェルターなんです。

 

現在の金色堂覆堂は、1965年に建設された鉄筋コンクリート造のもの。金色堂はこの覆堂内のガラスケースに収められ、24時間体制で温度・湿度管理がなされています。

 

以前の木造の覆堂は室町時代の建築だったそうです。それだけでもすごいことで、この旧覆堂も重要文化財に指定され、金色堂の近くに移築されているんですよ。

 

そして、現覆堂の内部にある金色堂。1962年から1968年にかけて解体修理がおこなわれて、長年の傷み、劣化が修理され、建立当初の豪華絢爛な姿に復元されています。

 

世界遺産登録02

 

はい、これがその国宝・金色堂です。ヒバ材に総金箔張り。なんともはや立派なものですね。全てが金色で統一されていると、思ったほどはケバケバしくない印象です。木瓦の部分は金箔がないのが、いいのかもしれませんね。

 

金箔に隠れていますが、なかなかプロポーションも美しい建物であります。

 

そしてこのたび、この金色堂を含む平泉の文化遺産について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が世界遺産への登録を勧告したとのこと。6月にパリで開かれるユネスコの世界遺産委員会で正式決定されるんです。

 

東日本大震災の後、平泉の世界遺産登録が「復興への象徴になる」と訴えていた県知事。確かに、今回の世界遺産登録は、被災地への朗報になることでしょう。

 

『復興の光を平泉から』との思いで登録の日を迎えたい。平泉町の町長はこう語ったそうです。知事、町長、そして関係者の皆さん、おめでとうございます。東北にまた人と活気が集まるために、この世界遺産が役立てばいいですね。