スペースシャトルの後継者

2011.5.26|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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いつもお読みいただきありがとうございます。

 

いつの間にか、宇宙旅行の代名詞になった感のある「スペースシャトル」。しかし、もうこのスペースシャトルという飛行機のような形をした宇宙船は、引退の時期なんです。

 

そしてこのたび、米航空宇宙局(NASA)は、スペースシャトルのあとに米国の次代の有人宇宙開発を担う「多目的有人宇宙船」(MPCV)の概要を発表しました。

 

写真がそれなのですが、何だかえらくスペースシャトルとはイメージが違いますね。飛行機型をしていない!

 

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これがその開発機です。スペースシャトルというより、昔のアポロ宇宙船の時に、地球へ帰ってきたカプセルのような形をしていますね。

 

なぜ、スペースシャトルが一気に全然形状の違うタイプの宇宙船に変わるのか。それは、スペースシャトルが担ってきた任務と関係があります。

 

スペースシャトルがなぜあんな形をしていたかというと、それは「資材を運ぶため」だったんです。前の方に操縦席があり、後ろには広い運搬用のスペースがある。それが、あの形だったんですね。スペースシャトルとは、貨物船だったんです。

 

では何の資材を宇宙へ運んでいたのか。それは、あの野口さんも滞在しておられた、「国際宇宙ステーション(ISS)」です。この建設用の資材を運んでいたのが、スペースシャトルなんですね。

 

私が子供の頃、SFの漫画やテレビ番組には、必ず「宇宙ステーション」というものが出てきたものでした。宇宙で長期間滞在できる基地のようなものでしたが、今やそれは、現実のものになったんです。すごいことです。

 

そして、国際宇宙ステーションが完成した今、スペースシャトルというタイプの宇宙船はその役目を終えたというわけです。もちろん今後もISSへの人間や物資の輸送は続きますが、それは主としてロシアのソユーズロケット、そしてアメリカ民間のロケットに役目を譲っていくのだそうです。

 

そしてNASAは、「より遠い宇宙の探査に集中する」という役割分担を設定し、そのために必要とされるのが、今回のMPCVというタイプの宇宙船だというわけなんですね。なるほど、これは人の輸送に特化した形なのか。

 

そうか、宇宙には空気がありませんから、スペースシャトルのような流線型が必ずしも移動に効率的というわけではなく、空気抵抗を考えなくていい以上、形状はあまり航行の良し悪しとは関係ないわけですもんね。

 

ちなみに、NASAはこの新型宇宙船を使って、2025年までに小惑星へ、そして2030年代半ばまでには火星への有人飛行を実現するということです。

 

何だかいよいよ、宇宙への冒険が新たな段階へ到達したように思えて、私などはとてもワクワクするのであります。火星への有人飛行は、人類に何か驚きをあたえてくれるはず。

 

しばらく、この新型宇宙船のフライトを待つことにしましょう。