指先の皺

2011.7.8|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

指先のシワ

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

お風呂に長く入ったり、ゴム手袋をずっと付けていたりすると、指先にできる皺。これについての興味深い新説を見ましたので、ちょっと取り上げます。

 

誰でもあたり前にできるこの皺。でも、何故できるのか、その理由についての確固とした定説は、あるようでなかったんですね。

 

今までの説としては、

・水分で皮膚がふやけるから。爪があるためふやけた分の行き場がなくなり、皺になる。

・浸透圧の関係で指の中の水分がお湯の中に出ていってしまうため、内部の水分が減り、表面が皺になる。

といったものが主だったようです。

 

しかしこの度、アメリカの研究者が発表した新説は、それらとは全く違っています。その新しい説とは、

「指先が濡れてしまっても、ものを掴みやすくするため」だそうです。指先の皺は、タイヤの溝のように、グリップ力を高めるためにできるのだ、というのです。

 

今までの説とこの新説とは、その発想が全く違っていますね。今までの説は、いわゆる「外的要因が元で、自然とそうなる」というものであるのに対し、この新説は、「体の神経組織が、外的要因への反応として、そうしている」というもの。いわば、人間が進化の過程で獲得してきた能力の一つである、という意味ですから、まさに画期的なアイデアです。

 

この研究者がこの説に行き着いたのは、「神経組織が切断されている指先に、皺はできない」という事実を発見したからだといいます。なるほど、皮膚がふやけたり、浸透圧の関係ならば、どの指先にも同じように皺が出来るはずですもんね。

 

濡れてしまっても、あるいは水の中でも、ものを掴む力を維持するために、指先に皺が出来る。この新説が真実を言い当てているのか、私にはまだわかりませんが、気持ちとしてはそうあってほしいですね。

 

皺ひとつにも、人類が今まで経てきた長い長い歴史の中で、生き抜くために獲得してきた力が表れている。

 

何だかそう思うと、生命の、人体の神秘を感じさせてくれて、とても面白いですもんね。「ふやけてシワシワ」というのよりも、ずっと奥深い、良い説だと思うのですが、いかがでしょうか?