夢の泥

2011.8.9|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

夢の泥

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

先日、温泉に含まれるレアアースを取り出す研究のことを書きましたが、それとは桁の違う、とんでもない埋蔵量のレアアースのことを知りましたので、ちょっとご紹介します。

 

画像を見ていただくとわかります通り、場所は太平洋のど真ん中、それも、その太平洋の海の底です!

 

永久磁石の材料となる「ネオジム」などのレアアースを高濃度で含む「泥」が、水深3500~6000メートルという深海底に積もっているのが発見されたのだそうです。

 

その海域の広さは約1100平方キロ。そこに含まれるレアアースの総量はなんと約880億トン!これは陸上での世界の埋蔵量の800倍だといいますから、とんでもない量です。まさに「夢の泥」ですね。

 

このような泥が一体どうしてできたのか。海底の地下深部からマントルが上昇し、地球を覆うプレート(岩板)がつくられる際に噴出した酸化鉄などが、どうも海水中のレアアースを吸着したと考えられるそうです。それが海流に乗り、ある一定の地域に堆積したのではないかと。

 

このとんでもない量の「夢の泥」、しかし今回発見された場所は、いわゆる「公海」にあります。誰のものでもない海ですね。「国際海底機構」というところに申請すれば、掘る権利をもつ場所(鉱区)の獲得は可能だそうですが、何と言っても誰もがほしいレアアースです。また、今までは海底からの採掘例がないということもあり、この採掘についての国際的な合意形成には相当な時間を要するとみられているそうです。う~む、残念。

 

ただ、このような泥が、日本の「排他的経済水域(EEZ)」にも存在している可能性はあり、今後はその発見を目指して調査は続行されるとのこと。

 

あとはこのような海底資源の低コストな採掘技術を確立することも重要な課題ですね。

 

しかし、日本がどうこうということはさておき、このような大変に大規模な海底鉱床が発見されたことは、現在大きな国際問題になっている中国の市場独占を打破するという大きな可能性を、私たちに示してくれました。

 

それには何だかとてもスカッとした気分にさせられましたし、今後の調査の進展に期待が高まりますね。

 

とにかく、地球上に存在するもの、何についても独占はよろしくない。その資源が国の争いの種になるのも好ましいことではありません。今回の発見の場所が「公海」であったというのも、そのことを私たち人類に教えてくれているのではないか。

 

私には、そんな気がしてならないのであります。