バイオでフライト

2011.8.14|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

バイオ燃料旅客機

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

今や人間の生活になくてはならないものですが、エネルギー効率やCO2排出量という点ではとても優等生とは言えないもの。「飛行機による移動」はその最たるものかもしれません。

 

でも逆に、CO2排出量が多いということは、この分野で削減の努力がなされれば、非常に効果があるということでもありますね。そんな取り組み、そろそろ始まっているようですよ。

 

ルフトハンザ航空が、その使用燃料をいわゆる「バイオ燃料」に切り替えた定期便を7月から就航させました。様々な航空会社が代替燃料の研究はおこなっているようですが、定期便で実用化したのは、今回のルフトハンザが世界初です。

 

と言っても、そんなに一気に切り替わるわけではないようです。まずはフランクフルト~ハンブルグ間の国内線から、その就航便の約3割を、バイオ燃料との混合燃料を使用してフライトさせるとか。

 

また、使用するエアバスA321型がもつエンジン2基のうち、片側のみその混合燃料を使用するのだそうで、これはおそらく、同じフライトで燃料の違いによるエンジンへの影響やメンテナンス性などを色々と比較してみる意味合いがあると思われます。

 

しかし、私が凄いなあと思うのは、2基のうち片側だけをバイオ燃料に切り替えられるということ。エンジンを替えることも必要ないし、また燃料の切り替えで片側の出力が落ちるということもないからこそ、そんなことが出来るわけですから。バイオ燃料もそこまできている、という証拠ですよね。

 

そのバイオ燃料ってどんなものかが気になりますが、これはフィンランドのNeste Oil社が供給するようです。アブラギリ、アマナズナといった植物、動物性脂肪、そしてバイオマスとを合成したものだそうです。

 

ルフトハンザ航空は、まず半年間この就航を続けるようですが、今回のこの燃料切り替えによって、半年間でおよそ1,200便がフライトし、1,500トンのCO2削減が達成されると言います。すごい、バイオ燃料の比率が高まると、さらに凄いことになりますね。

 

こう書くといいことばかりのようですが、やはり問題として立ちはだかるのはコスト。バイオ燃料は通常燃料の2倍以上の費用を必要とするそうで、一気に切り替えられないのは、そういった事情もあるのでしょうね。運賃にコストオンするわけにはいきませんから。

 

ただ、やはりそこは環境先進国ドイツ。今回ルフトハンザ航空はこのプロジェクトに投入する資金の4割近くを、ドイツ連邦経済・技術省からの融資でまかなっているのですね。省エネプロジェクトへの低金利融資で、国が後押しをする仕組みが整っているのでしょうね。

 

また、EU(欧州連盟)では2012年から、EU諸国を往復する航空便に「CO2排出枠割当制度」を実施することになっていて、航空各社はCO2排出権を購入しなければならなくなります。今回のルフトハンザ航空のプロジェクトは、それをにらんだものでもあるようです。

 

ヨーロッパでは、省エネ社会、持続可能な社会に向けての規制と後押し、アメとムチが共に推進されているようです。

 

この事例、日本にとっても学ぶべきところは多いのではないでしょうか。