風の盆

2011.9.5|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

風の盆

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

大きな被害を列島に残して、台風12号は去って行きました。被害のあった地域の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

 

しかし、ご覧の写真のこの祭りは、今年もこの台風の時期、9月1~3日に何とか無事におこなわれたようですよ。

 

祭りの名は「おわら風の盆」。私が一度行きたいと思っていて、今年もまた果たすことができなかった、憧れのお祭りです。

 

場所は、富山市八尾町。大阪の八尾とは違って、「やつお」と読むそうです。そこで毎年、いわゆる「二百十日」の頃におこなわれるのが「風の盆」なんですね。

 

二百十日と言えば、台風がよく到来する時節とされていますが、何故そんな時期に敢えて祭りをするのか?実はそれは全く逆で、この祭りは、「風を治め、五穀豊穣を祈願する」ためにおこなわれるのです。収穫前の稲が風の被害に遭わないよう、豊作になりますよう、という祈りを込めた祭りなんですね。ですから、まさに狙ってこの時期、なのです。

 

ご覧のように、編み笠を目深にかぶった男女が、胡弓や三味線の調べに合わせて町を踊り歩きます。これを「町流し」というそうです。流れるその音色は、派手なものではなく哀愁漂う落ち着いたもの。そしてそれに合わせて唄い踊られるものが「おわら」なんですね。

 

「おわら風の盆」が開催されるのは、八尾町の中でも「旧町」と呼ばれる地区。昔の面影をそのまま残した「坂の町」で、その街並みはとても風情のあるものだそうです。夜になり、そんな古い家並みに沿ってぼんぼりに淡い灯がともると、いよいよ祭りの雰囲気は高まりますね。

 

行ったことのない私が言うのもおかしな話ですが、阿波踊りのようなエネルギッシュな踊りではなく、しなやかな身のこなしの優雅な踊りだそうですので、まさにこの、ぼんぼりが灯る夜こそ、その真骨頂なのだろうなあ、と思います。

 

かつて八尾町は「富山藩の御納戸」と称されるほど経済力豊かな、街道の拠点として栄えた町だそうです。そこで古くから脈々と受け継がれ、人々が大切に守り育んできた民謡行事「おわら風の盆」は、まさに町民の生命ともいえる大切なものだと言います。

 

この歴史ある祭り、優雅で情緒あふれる風の盆に、本当に一度行ってみたいと思っているのです。

 

でも、建設業泣かせの台風がよく来ると言われる二百十日。なかなかその時期にゆっくりと休みをとってお祭りを、というのは、工務店スタッフには難しいよなあ、なんて、半分諦めてみたり。でも、見てみたいなあ。

 

風の盆、何とも悩ましい、だからこそ憧れる、そんな祭りなのであります。