ドライフォグ栽培

2011.9.6|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

ドライフォグ園芸

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

ご覧の画像、何やら煙のようなものが、作物のまわりに出ていますね。そして左側には、この作物の根があらわになっています。

 

これは、最近開発された新しい栽培システムなのだそうです。「ドライフォグ」というものを使って、土を使わないで作物を育てるというのですが、それだけでは全くイメージできませんね。

 

実はドライフォグというのは、直径10ミクロン(0・01ミリ)以下という非常に小さな水滴でできた、まるで煙のように見えるほど細かい細かい霧なのだそうです。液体肥料をそのドライフォグにして、栽培装置内の根の周りに充満させます。そうすると、土も不要、いわゆる水耕栽培の水も不要、根が空中にあるという、今までなかった栽培の仕方になるのだとか。へええ。

 

では、何故このドライフォグ方式が有効なのか。それは、根の周りに液肥がドライフォグとして充満した状態だと、通常の土の中、水の中よりも、根毛の発達が著しく促進され、液肥の吸収に無駄がなくなるという、驚きの効果があるからなんですね。

 

結果、レタスなどの葉物ではその生育が早まり、トマトやイチゴなどでは、糖度を上げることができたそうです。しかも、液肥の使用量は、従来の水耕栽培に比べて数十分の1に抑えることが出来るとか。すごい、それほどまでに効率良く吸収されていく、ということなのですね。

 

でも、このドライフォグ、そういえばこの夏よく見かけた、あのすっとする「ドライミスト」と同じようなものなのかな、と思いましたら、やはり同様の意味合いのもののようです。

 

というのは、ドライフォグ発生装置は作物の液肥のためだけでなく、ビニールハウスの冷房にも応用されているようなんですね。これによってハウス内の温度を30度以下に下げることができ、エアコンに比べて低コストの冷房として活躍したとのこと。

 

実はこのことは大きな意味をもっていて、大阪などの大都市近郊では従来は難しいとされていた夏期のトマト栽培、イチゴ栽培などが可能になるかもしれないのです。それは結果的に、物流の面においても環境負荷を低減することにもつながるわけですね。

 

水が極端に細かい粒になることによって、今までできなかったことが可能になる。それも、環境負荷の少ない形で。そんな効果をもたらすこの「ドライフォグ栽培」、これから発展していく可能性を秘めていそうです。

 

やはり、水というものは、人の生活と切り離せないものです。時には今回の台風のように人を苦しめることもありますが、やはり人は水と共に生きている。

 

今回のお話は、その水のあり方の新しい形を見たようで、私は大変興味深かったわけなのです。