漢字を学ぼう

2011.9.9|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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ご愛読、ありがとうございます。

 

全国から自作の「視聴覚教材」を集めて審査するコンクールで、「白川文字解説ソフト」が入選した、というニュースを見て興味をもちました。

 

白川文字学を映像と音声でわかりやすく説明するソフトなのだそうですが、白川文字学というもの自体、一般に広く知られていないのでは、と思うので、少し取り上げます。

 

白川文字学とは、白川静という漢字研究の第一人者の名前からきています。漢字というものが成立した時期にあったいわゆる「甲骨文字」や、中国の古代王朝である殷・周時代の青銅器の銘文、いわゆる金文などの古い古い資料から調査研究を重ね、「漢字の成立」と、様々な漢字の形の成り立ち、そして移り変わり、その膨大な内容を体系的にまとめあげた方で、まさに漢字の神様と言える人物です。

 

白川さんの研究によって、漢字というもののひとつひとつの部分が全て意味をもっていること、そこには古代の人々の風俗や歴史、知恵が凝縮されていること、そしてそれらの部位が組み合わさるその方式にも全て意味があることが解き明かされたわけで、それはとんでもなく巨大な業績なんですね。

 

氏がものした『字統』『字訓』『字通』からなる、いわゆる「字書三部作」は、漢字研究の金字塔といえる著作ですが、それ以外にも、とても平易に漢字の世界を表現した著作も数多くあります。

 

それは、白川さんが「漢字には意味がある。それを知ることこそ面白い。その意味、その成り立ちを漢字そのものの形と一緒に学ぶことは、とても楽しい。皆にもそれを知ってほしい。」そう思っていたからだと、私は思うのです。

 

実際に、市の故郷である福井県をはじめとした多くの小学校で、『白川静博士の漢字の世界へ』といった小学生向けの著作をテキストに、白川文字学を授業に取り入れ、非常に大きな効果を得ているといいます。

 

子供たちが一方的に漢字を説明されるの授業では、頭に入りにくいし、どうしても「暗記」の範疇を出ない学習になります。しかしこの小学生向け著書では、小学校で習うすべての漢字について、古代文字があるものはそれを示しつつ、それぞれの字の成り立ちをしっかりと解説しているそうです。

 

授業ではそれを元に、古代文字から現代の漢字を推理してみたり、例えば「人」という字から派生して生まれた様々な漢字を合わせて学んだり、というような進め方をしているとか。

 

漢字には成り立ちに理由がある、意味がある。その「核心」を知ることで、子供たちはそれを自分で推理し、互いに話し合っていく楽しみを知り、そして漢字というものに大いに興味と親しみをもって学ぶことができるんですね。

 

今回コンクールで入選したソフトというのも、漢字というものの楽しい学び、それをさらにサポートする、という意味で選ばれたのでしょうね。素晴らしいことです。

 

何ごとも興味をもってこその学び。私ももっている白川文字学の入門書『常用字解』を、読みなおしてみたくなりました。改めて興味が湧いた今こそ読むべき時ですが、さて、どこの本棚へしまったかなぁ…?