最古のタイル風呂

2011.9.13|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

最古の浴槽

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

京都・二条城の城下に、「二條陣屋」と呼ばれる建物があります。江戸後期の豪商の屋敷で、重要文化財です。江戸末期には、二条城などに参上する大名が休憩所として使ったという建物なんですね。

 

贅を尽くした意匠と、「からくり屋敷」とも呼ばれるほどに、当主や逗留する大名たちの身を守るための仕掛けが色々と施された「防衛建築」としての有り様が、非常に面白いものです。

 

そのように建物としても見どころいっぱいなのですが、今回この二條陣屋で、新しい大きな発見があったそうです。それは、お風呂。

 

この二條陣屋は一昨年から、その西側部分の木造2階建て約310平方メートルの範囲を一部解体して修理していて、それに合わせて京都府教育委員会文化財保護課による調査がおこなわれています。

 

その中で、今までは大正期の改築時に造られたものと考えられていたこの建物の「陶板(タイル)張り」の浴槽(幅70センチ、奥行90センチ)が、何と大幅に時代をさかのぼった、江戸後期のものだと判明したのだそうです。もちろん、現存するものでは、国内最古のものになるとか。

 

江戸後期のタイル張りの浴槽? ということは、ここに逗留した大名たちが、タイル張りのお風呂に入ったということですよね?何だか、私の頭の中には、そういう絵柄が全然浮かんでこないのですが…。当時のお風呂は、全て木で出来ていたのだと思っていました、私。

 

文化財保護課からも、「当時としてはかなりモダンな浴槽。木製がほとんどだった当時、大名が使う専用の風呂として特別に陶板を張ったのでは」とのコメントです。やっぱりそうなんですね。

 

今まで見た古い陣屋建築などでも、確かにトイレの便器などは、磁器製のものを見たことがあります。しかし、お風呂をタイルにしたものがあったとは…。何だか、自分の思い込みが覆って驚きますが、でも何だか面白いですよね。

 

これからは、丁髷姿の大名や武士がタイル張りの浴槽にひたって「う~」と唸っている姿もイメージできるよう、脳にインプットされました(笑)。

 

なお、今回の調査と修理により、二條陣屋は江戸後期の姿に復元をされるそうです。この陶板張りのお風呂も同様に復元されるとのことですので、工事完了のあかつきには是非その「江戸時代のタイル風呂」を、この目で確認しに行こうと思います。

 

できたら、入れたら一番なのですが、それはまあ無理でしょうから…。