宇宙で発電

2011.9.24|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

宇宙で発電

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

原発の事故以来、太陽光発電や風力発電など、さまざまな再生可能エネルギーに注目が集まっています。しかし、これらのエネルギーは、やはり自然を相手にするが故に、発電量が時季、気候条件によって大きく変わるという問題を抱えています。

 

しかし、同じ太陽光発電でも、実はもっと安定的に電力供給をおこなうことができる方法があるんです。それが宇宙空間での発電、「宇宙太陽発電衛星(SPS:Solar Power Satellite)」です。

 

地上に設置された太陽光発電システムでは、夜間や雨天のときには発電できません。しかし、地上3万6000kmという上空になると、状況は全く違っています。雲よりも上、宇宙にあるのですから。

 

人工衛星として宇宙空間を飛ぶ太陽光発電パネルは、時間帯や気候の影響を受けることなく、太陽光から安定して発電をすることができるのですね。

 

しかし、ここに大きな壁があります。ご想像の通り、「つくった電気をどうやって地上に送るのか」という問題ですね。そして、それへの答えとして「電流をマイクロ波に変換して飛ばす」という方法が研究されてきました。

 

マイクロ波というのは、高周波であるマイクロ波帯(1GHz~30GHz)の電磁波のこと。これによる送電技術の研究開発は、実は1960年代に始まっていたそうですね。そこから、徐々に進化を遂げているとか。

 

太陽光で生成した直流電力を電磁波として地上に送るには、直流電流をマイクロ波に変換する装置が必要です。そしてマイクロ波の電磁波の指向性を制御して、電力を地上に送った後、こんどは逆変換をおこないます。この装置を「レクテナ」というのだそうですね。

 

現在、送電側の直流から、2度の変換を経て受電側の直流へいたる過程での伝送効率は、最新の技術でも50%程度のようです。これをさらに高めるには、電力を送る各部分の高効率化が求められ、その研究が進んでいるということでした。

 

また、このマイクロ波を使った送電技術は、宇宙太陽発電だけではなく、他にも大きな利用法があるんです。それは、「非常時の電力供給システムへの活用」です。

 

天災などによって電力供給網が破壊されてしまった災害地域があったとして、そこへ例えば飛行船などを使って、上空から地上に電力を送るといったことが、この方法だと可能になるんです。受電システム「レクテナ」を非常用にあらかじめ地上に用意しておけば、災害時における電力供給の不安が払拭されますね。

 

各家庭で太陽光発電をおこなう。それもとても大事ですが、それとは別に、こうした色んな意味で安定的電力供給を実現するインフラとしてのシステムの研究も、とても大切です。

 

いずれは再生可能エネルギーで全ての需要をまかなう、私はそれを人類のこれからの大きな目標とすべきだと考えています。その実現のために、この宇宙太陽発電衛星と送受電技術は、かなり有用性が高いものに思えて、興味津々なのであります。