松のはなし

2011.12.14|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

matsu

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

左:

陸前高田市の「高田松原」で、7万本の松林が津波に全て流される中、ただ一本だけ残った「奇跡の一本松」。しかし、根が腐って枯れてしまい、もはや回復の見込みはないという状況にあります。

 

しかしそれを受けて、この松の子孫を残す取り組みが始まりました。残っていた松ぼっくりから種を採取したり、あるいは枝を切り取って別の松に「接木」したり、というものです。

 

そして今回、21本の苗を育てることができたそうです。

 

復興のシンボルであった奇跡の一本松、その子孫もまたどこかに植えられ、同じく復興のシンボルとなることでしょうね。

 

 

右:

東京駅が現在、大改修工事を進めています。戦災で失われたドーム屋根を含め、建物を大正3年の創建当時の姿に復元しつつ、現代の技術を盛り込む試みです。

 

この東京駅、その地面の下には、長さ8mの松の杭が埋め込まれていたと言います。その数、一万本。

 

昔、軟弱な地盤に建物を建てる時には、松杭を打ちました。松の木は圧縮強度が高く、コンクリートに匹敵します。なおかつ「松脂」があるため水にも強く、まさに杭にはうってつけの材料だったんですね。

 

写真は、東京駅の前にあった旧丸ビルの松杭。長さは15mもあります。新丸ビルのホールに展示されていますが、全く腐食も進んでいないということです。

 

東京駅を支えた松杭も、ゴムとオイルダンパーによる免震構造に取って代わられますが、この松杭も同様に、新しい東京駅に展示されるといいますから、楽しみであります。

 

 

二つの松、どちらも、とても尊い姿ではありませんか。

 

奇跡の一本松は、その孤高の強さとそして失われゆく生命のゆえに。

松杭は、地面の下で建造物を支えつつ耐えぬいた、その強さのゆえに。