古民家再生の醍醐味

2012.3.5|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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ご愛読、ありがとうございます。

 

ここのところ、新築と並行して、古民家と言えるような古いお宅のリフォームのお話を何軒かいただいています。大変ありがたいことです。

 

古民家再生のお話をいただくと、私たちはまずはその家をじっくりと調査させていただきます。図面も全くないことがほとんどなので、建物の実測をきっちりとやりつつ、部材の傷みや雨漏れ、地盤の沈下による不具合などがないか、ひとつひとつ確認していくのですね。

 

そして、実測と調査の結果を元に、リフォームのご提案をするわけですが、もちろんそれぞれの家によって提案の内容は違ってきます。

 

構造の補強はどの程度必要なのか。断熱の強化はどこまでやるべきか。外壁や屋根の補修は。まずはこれからも長く住んでいただける家にするために、建物の基本性能をどこまでアップさせるべきかをしっかりと把握する必要があります。

 

そして、古民家と言われるような家はたいてい、とても広い建物ですから、全てに手を掛けると非常にコストを要することになってしまいます。お客さまが想定しておられる予算を考慮しながら、リフォームをおこなう範囲を設定し、工事範囲とそれ以外の部分との間をどのように区切るかを考えるというのも、とても大切な作業です。

 

また、構造の補強をする、といっても、古い家にはコンクリートの基礎すらありません。今の建築基準法の考え方では、そのような家はどう補強しても無駄、ということになりかねないんですね。

 

しかし、そこは今までお客さまの暮らしを守ってきた家なんです。そのような一辺倒な考え方でその家の価値を否定するのは、とても愚かなこと。私たちはそう考えています。

 

ですから、建築基準法とは違った方法になる場合もありますが、家全体のつくりをきちんと知った上で、私たちがそこに今やるべきと考える補強の方法をご提案することになります。

 

同じように、断熱や補修についても、いろんな考え方、いろんなやり方があります。

 

しかし、つくり手であり「家守り」でもある私たちが、しっかりと検討した上で納得し、自信をもってお客さまに提案できる方法、リフォームのあり方、それをその都度、その家に合わせて考えることが非常に大切なことであり、それこそが古民家再生の醍醐味なのではないか、そう思うのです。

 

新築の木の家をつくり続けていることで培われたノウハウ、それをうまく活かして、暗くて寒い古民家を気持ちのいい住まいに生まれ変わらせる。さらにそれが、古い立派な家という財産を次の世代にも引き継いでいくことのお手伝いにもなる。

 

それは場合によっては新築以上に難しいことですが、だからこそやり甲斐があるし、出来上がった時のお客様の笑顔もひとしおです。

 

木の家に携わるものとして、醍醐味がいっぱいの古民家再生。経験を積むごとに、そのノウハウも増えていくのが、これまたとても楽しいのであります。