水を還す

2012.4.1|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

使った分だけ

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

先日、「おいしい水を守れ」と題して、水の源である森林資源のことを書きました。今日は、同じく水資源を守るための企業の取り組みをご紹介します。

 

清涼飲料水の会社、コカ・コーラシステムが、「WATER NEUTRALITY(ウォーター・ニュートラリティー)」を強化することを発表しました。そして、そのための取組みを紹介するサイトがオープンされています。画像がそれですね。

「ウォーター・ニュートラリティー」とはなんぞや?それは、その商品の製造に必ず水を必要とする同社が、「水を守る」ための事業活動なのですね。それは、以下に述べる5つの活動によって、製造に使用したのと同量の水を自然へと還元する、というものだとか。以下、同サイトを参照して書きます。

 

1.水資源保護

全国の工場で、その水源エリアを調査して特定し、水量や水質など水に関する問題がないか、科学的に分析する。その上で、水源エリアの自然環境が持続的に水を育み蓄える力を持ち続けていけるよう、水資源保護に努める。

同時に、子供向けの自然塾などの体験学習も日本各地で開催し、森の役割や自然環境保護の大切さを伝えていく。

 

2.取水

工場では、製品を製造するために使う水の量を厳しく管理する。使う水の量を減らしていけるよう、製造プロセスや工場設備を常に見直し改善に繋げる。また、水源エリアの降水量を毎年確認し、水脈の豊かさが失われないよう、取水量に気を配る。

 

3.水質管理

毎日水質をチェックし、安全な製品づくりの基本である原料としての水の「健康」を注意深く見守っていく。また、同社の基準にかなう水質を維持するための活動として、工場周辺の環境変化にも常に気を配る。

 

4.効率的利用

洗浄用、加熱用など、製品の中身以外にも様々な工程で使われる水を効率的に無駄なく使用する。宮崎県えびの工場では洗浄水のリユース率を90%まで高めている。

 

5.排水管理

工場で使用した水は、適切に処理した後に自然に戻す。国や地方自治体の基準だけでなく、自社独自の基準を設定して入念に管理し、処理前の水が流れ出ないよう、厳しく監視する。

 

なるほど、どれも非常に大切なことですね。水と関係の深い企業が、このような取組みを続けることには、大きな意味があると思います。では、実際の水使用量というのはどれくらいなのでしょう?

 

同社の、2010年の製造における水使用量は2,522万m3、排水量は1,925万m3だったそうです。そして2011年には、使用量が約2,386万m3となり、5%以上の節約となっているとか。しかし、ものすごい量ですね。

 

また、排水処理においては、微生物を使った「活性汚泥法」などを使っておこなわれています。その社内基準は、有機物量の指標において国の基準が160mg/L、県や市が10~20mg/Lであるのに対し、わずか1~5mg/Lという高いレベルにあるといいます。これは素晴らしい。

 

ただ、水使用量と排水量との差が、製品として出荷される飲料水の分だとすれば、どのように「使った分と同じ量の水」を自然に還元するのか、そのあたりが私にはちょっと理解しにくいのですが、しかし、その「分量を同じにすること」が大事なのではない筈。

 

自然環境に配慮して無理なく採水する。そしてなるべく取水量を減らす。使った水は浄化して還す。これらを継続的に、かつ精度を高めつつ実施していくことが大事なのですよね。それをこのようなサイトで社会にアピールすることは、きっと同社のイメージアップにつながるでしょうし、そのような活動も企業価値の一部であるという認知にも、役立つことだと思います。

 

願わくば後は、つくる清涼飲料製品についても、もっと「いろはす」のような自然なものの比率を高めていってくれたら、なおいいですね。そうなると、同社社名の製品が槍玉に上がってしまうかもしれませんが(笑)。