すすむ振動発電

2012.5.20|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

brother-industries-unveil-vibration-powered-generating-battery_2_Il6kw_69

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

以前にも少し書いたことがあるのですが、「振動発電」という発電技術があるのです。その名の通り、身の回りのもののわずかな振動から電気を生み出すというものなんですね。

 

もちろん、大きな電力を生み出すのは難しいのですが、ちょっとした電気で済むもの、消費電力の低い物への電力供給にかなり効果的な発電方法として、最近は徐々に実用化されているようです。

 

写真は、もうだいぶ前になりますが、ブラザーが開発したもので、「振動発電池」です。いわゆる「単三電池」の形をしていますね。でもこれは、電気を貯めておくだけではない、発電するキカイなのです。

 

この使い方が面白い。例えば、テレビのリモコンにこの発電池を入れて、使う前に「振る」のです。そうすると電気が生まれ、その電気でリモコンが使える、というわけですね。電池が消耗する、ということのない、エコな技術です。面白い。

 

また、振動発電を使ったバッテリーレスの無線センサーシステム、というものも開発されているようです。道路や橋、鉄塔の上など、人による作業がしにくくて、定期的に振動を発生している場所に取り付けるもので、その振動から発電して、温度や湿度などの環境情報を計測し、無線送信するというもの。

 

これもまた、使う場所の特性を上手く利用した、エコな技術ですね。電気というものは、少し生み出すだけで充分使えるという機器も多いのですね。振動発電は、それに向いているという感じがしますね。

 

そして最新のニュースでは、この振動発電素子に使う合金で、今までよく使われていたセラミック素材の10倍もの発電効率をもつものが開発されたとあります。

 

金属による振動発電では、合金組織によって発電効率が異なるのだそうですが、今回の開発では、ともに強い磁性をもっている鉄とコバルトによる合金のつくり方、その構成比を原子レベルで見直した成果だそうです。

 

このような画期的な発電素子が実用化されるとどうなるか。これが面白い。私たちの先入観が崩壊するような、楽しさです。

 

先ほどのリモコンの例で言いますと、もう「振る」ことすら必要なくなるのだそうですよ。リモコンのボタンを押す、その微弱な振動で電気が生まれ、リモコンがちゃんと稼働する、というのです。

 

また、橋の上を車が走る、その振動で発電して、夜間の電灯の電力を供給する、なんてことも不可能ではないとか。まさに画期的な省エネ技術と言えましょう。

 

いや、正確には省エネ技術ではない、ですね。振動から電気をつくり、つくったその場で使う。

 

振動発電というもの、これは「創エネ技術」なんですね。