ひよこ恐竜

2012.5.26|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

羽毛竜02

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

今日は、また私の好きな恐竜の話に、しばしおつきあいを…。

 

私が子供の頃、恐竜の復元図と言えば、どれも「大きなトカゲ」という感じのザラザラした爬虫類の肌で描かれていました。しかし最近の調査や研究の成果では、どちらかというと鳥のような姿をした、羽毛をもった恐竜が多くいたと考えられているようです。

 

映画「ジュラシック・パーク」で悪役となった「賢い小恐竜」、ヴェロキラプトルも、あの映画ではトカゲ様の姿でしたが、現在の復元図では、全身が羽毛に覆われ、前肢には少し羽根のようなものさえ付いていますね。えらい変わりようです(笑)。

 

羽毛というのは化石に残りにくいため、長い間よくわかっていなかったのでしょう。それが、最新の発掘や復元技術、DNA研究などから徐々に明らかになってきた、という感じなのだと思います。

 

それでも今までは、どちらかというとヴェロキラプトルのような小型の恐竜に、羽毛を持つものは多かったという認識だったようです。ティラノサウルスのような大型肉食恐竜は、やはりトカゲ系なのだ、と。

 

ところが今年、中国は遼寧省で、新種のティラノサウルスの仲間の化石が発掘されました。約1億2500万年前の地層からです。その時期は「白亜紀」。まさに恐竜たちが繁栄を極めていたとされる時期ですね。写真がその復元図ですが、この通り、全身が羽毛で覆われています。このような大型の恐竜で羽毛をもつものの発見は、世界ではじめてなのだそうですよ。

 

この羽毛、ちゃんとした羽根ではなくて、ふわふわした単純な繊維状のもの、いわばひよこの毛のようなものだったといいます。あの恐ろしいティラノサウルスの仲間に、可愛らしいひよこの毛。なんだかミスマッチで、可笑しいですね。

 

では、この羽毛の役割は何か。それはまだ推測の域を出ませんが、長い白亜紀の間には気温が低くなった時期があって、それに適応したものだという説、あるいは、現代の鳥類がやっているのと同じように、求愛行動、誇示行為に使われた、という説も出ているようです。

 

この新種の肉食恐竜には、ラテン語と北京語を組み合わせて、「ユウティラヌス・フアリ(Yutyrannus huali)」という学名が付きました。これは「美しい羽毛の暴君」という意味だそうで、なかなか格好良いですね。

 

今回の新発見が示すように、古代の地球において覇者であった恐竜の世界は、まだまだわからないこと、判明していないことだらけなのですね。「化石」という手がかりしかないのですから、それはあたり前だとも言えます。

 

私が生きている間だけでも、これだけ恐竜の世界の想像図は変わってきています。これからもっと色んなことが明らかになってくるのでしょう。

 

それは私にとって、未来のことと同じくらい、ワクワクする、胸踊る世界なのであります。