器の開放

2012.6.20|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

ルーブルの開放

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

今日は、私とはかなり縁遠い、ファッション関連のお話です。

 

ごらんの画像は、先日12日に開催された、イタリアの高級ブランド、サルヴァトーレ・フェラガモのファッションショーの様子です。「クルーズコレクション2013」と題されたショーで、リゾートスタイルを中心とした新作の発表だったのだそうです。

 

正直、その内容にはあまり食指が動かないのですが、その開催された場所が、あのルーブル美術館と聞けば、興味をもたないわけにはいきませんね、私のバヤイ。

 

現在ルーブル美術館では、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品展が開催中です。「聖アンナ、レオナルド・ダ・ヴィンチによる究極の傑作(The Saint Anne, Leonardo da Vinci’s Ultimate masterpiece)」と、なんとも凄いサブタイトルがついた作品展です。

 

ここには、ダ・ヴィンチがその晩年、1503年から1519年ごろに制作した油彩画、「聖アンナと聖母子(The Virgin and Child with Saint Anne)」が展示されています。近年その大規模な修復が行われ、その成果も一緒に味わうことができる展示のようです。この6月25日までの会期だとか。

 

そして、この展覧会のメインスポンサーが、フェラガモなのですね。なるほど。そういうことですか。しかし、理由はどうあれ、今まで一度としてそういったショーに開放されたことのないルーブル、その900年の歴史をついに打ち破って、新しい風を入れたことには、大きな意味があるように私には思えます。

 

広い広いルーブルの中で、今回の会場となったのは、「ドゥノン翼(Denon gallery)」と呼ばれる部分。そのアーチ型の廊下に140mのランウェイが設置され、ご覧のように歴史的建造物の中で、華やかなショーとなったようですね。

 

古い建造物そのものがもつ力、そこに今までと違った「使い方」という血を注ぎ、風を入れる。それは、建物そのものの見方にも変化を与え、その魅力に改めて気づく、再認識する、といった効果もあると思います。それは元の使い方と違っていればいるほど、その効果は大きい。その意味でこのショーは、とても意義あるイベントだったのではないかと感じられます。

 

ただ、このような画期的な出来事は、それを目論む新しい力、そして器を開放するということへの持ち主側の懐の深さ、どちらもが揃って初めて形になるもの。その分、うまくコトが運べば、双方に大きなメリットが得られるはずです。

 

もちろん、日本にも伝統的建築物は数多くあります。でも、その使い方は「和」から逃れられないことが多いように思えるのですね。

 

このようなギャップを楽しむ新しい「風」が、もっと吹けばいいのに、と感じられた出来事なのでした。