雨の欧州

2012.6.29|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

雨のオリンピック

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

日本はある意味「水の国」でもありますから、水資源の問題について、そこまで深刻に考えている人は少ないのではないでしょうか。それでも、夏の水不足が時々話題に上がりますね。

 

しかし、ところ変わってヨーロッパ諸国においては、その気候の違いゆえに、雨というのは今もう既に立派な「水資源」として考えられているようです。今日はそのことを少し。

 

ヨーロッパではこの2年ほど、深刻な干ばつの問題に直面しています。水不足が、もはや無視できない状況になってきている、といこと。ヨーロッパの人口のほぼ半分が、水不足に悩まされていると言います。

 

また、それを少しでも解消するためとして、ヨーロッパの都市では地下水を利用しています。しかしこれも、少しであればいいのですが、水資源不足をうけて大量な汲み上げがおこなわれがちになっていて、ヨーロッパ都市の半数以上が、地下水の使いすぎという将来に不安を残すような現状であるとのこと。

 

これらを解消するため、雨水等の利用が昨今非常に顕著になってきているのですね。EUにおいてはそのための法令も制定され、EUの構成国には、2015年までに実行する水の再利用計画の提出が求められています。それも今年のうちに。

 

EU諸国のうちで、最もこのような水資源再利用が進んでいるのは、やはり環境大国、ドイツのようです。ベルリン市などでは何と「排水料金」というのがあって、敷地に降った雨をそのまま下水へ流してしまうと、敷地面積に応じた排水料金が徴収されるといいます。屋上緑化や雨水の土壌への浸透処理をおこなうと、それが免除されるとか。すごい、徹底していますね。

 

ドイツでは、各家庭においても、公共の施設においても、雨水利用を徹底しています。雨水はとにかくタンクに貯め、再利用します。庭の散水、トイレの洗浄水、洗車の水、洗濯の水として。

 

またドイツではさらに、雨水に加えて「グレイウォーター(雑用水)」の再利用も推進しているそうです。洗面所、シャワー、洗濯機などの排水をそう呼び、台所排水などの「ブラックウォーター(下水)」とは区別されていて、飲料水以外の用途の水として最良されているのだそうですよ。面白いです。

 

このような水資源再利用の先進国でもあるドイツに、他の国々も追随しようとしているようです。なかでも、今年もうすぐロンドンオリンピックを迎えるイギリスでは、自分たちの取り組みを国際的にアピールできる絶好の機会ということで、気合が入っているようですよ。

 

イギリス雨水利用協会(UK Rainwater Harvesting Association)という団体があるのだそうで、今年のロンドンオリンピックでは、こ団体の活躍により、会場内のトイレは雨水のみが使用されることになっているとか。これによって水の消費は60%も減少することになるんですね。

 

ロンドンオリンピックは、環境配慮型オリンピックとして様々な取り組みをおこなっています。雨水利用以外の水資源活用としては、プール競技に関連してフィルター洗浄などに使われた水も他の用途にリサイクルされるそうです。

 

これらの取り組みの結果、今回のオリンピックの「全環境インパクト」は、今までの大会と比べて、これらの工夫のおかげで60%近くも減少するというからすごいですね。

 

まさに、ドイツからイギリスへ、そしてヨーロッパ全体へと、環境配慮型の施策を広めていくのに、これほど目立ち、そしてインパクトのあるイベントは他にありません。

 

今年のオリンピック中継、ヨーロッパでの先進の事例として、私はそんなところに興味をもって見ることになりそうです(笑)。