じゃんけん必勝法

2012.7.19|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

alwayswin

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

「じゃんけん」という遊び、勝敗の決め方は、これ以上ないシンプルさ、そして楽しさ、奥深さを併せもったものですね。普段何となくやっていますが、考えてみるとなかなか面白い。

 

我々日本人がごく日常的におこなうこのゲーム、英語圏でも”Rock-paper-scissors”と呼ばれて取り入れられているそうですが、元来はやはりアジア圏のもののようですね。

 

分類の上では「拳遊び(けんあそび)」と呼ばれる遊戯の中のひとつであるじゃんけん。二人で手の開閉または指の屈伸などによって勝負を争う遊びをそう呼ぶのだそうですが、じゃんけんの本質は、いわゆる「三すくみ」の関係の面白さなのだと思います。

 

三すくみとは、AはBに勝ち、BはCに勝ち、CはAに勝つという関係のことです。これが成立していないと、じゃんけんは何も面白くありませんものね。

 

江戸時代には、この「グー、チョキ、パー」すなわち「石、鋏、紙」ではなくて、「虫拳」と呼ばれる「蛙、蛇、なめくじ」という三すくみを使った遊びなどが主流で、元は「石拳」と言っていたこのじゃんけんには、大人は見向きもしなかったと言います。

 

しかしその後、大正時代以降に子供を中心として広がり、現代にまで生き残ったのは、このじゃんけんでした。いわば「券遊びの最終形」だと言えそうですね。

 

今日は何故こんなにじゃんけんのことを書くかというと、「必ず勝つじゃんけんロボット」というものの存在を知ったからなんです。これは「人間機械協調システム」の実現を目指した研究として、東京大学で開発されたものなのだそうですよ。

 

実は、「勝率100%」と聞いて、私は「ついにこの三すくみの関係を突破する、何か画期的な方法が見つかったのか!?」と思ったんです。もしそうなら、すごいことだと。

 

しかし、そうではありませんでした。このロボットは、超高速の「後出しじゃんけん」をおこなう機械だったんです。相手の手の位置と形状を、高速ビジョンを用いて1ミリ秒ごとに認識し、相手が出したその1ミリ秒後に「勝つ手」を出す、というものでした。1ミリ秒後だと、人間の感覚としては同時に近いもので、後出しされている感覚はほとんどないそうです。

 

何というか、それはそれで非常に素晴らしい成果ですし、「反射神経的知性」というもの、あるいは「身体的知性」が今後はロボットにも備わってくるということを示唆するいい話だったのですが、やはりちょっと、拍子抜けしてしまいました。「なあんだ」という気持ちが、どうしても起きてしまうのですね。

 

しかしこのニュースで、私はじゃんけんというもののもう一つの面白さが改めてよくわかったような気がします。それは「同時に意思決定をおこなう」がゆえの楽しさです。自分と相手とが同時に「選択」することが、このゲームがフェアである条件であり、それがおこなわれるが故にその結果は絶対で、素直に勝ち負けを認める気になる。

 

やはりじゃんけんとは、感情をもつ人間同士が、アナログに対決するがゆえに面白いのでしょう。そしてこれ以上ないシンプルな構造は、そう簡単に変えられそうもありません。AI(人工知能)が介入してくる余地は、どうもなさそうですね。