無駄にならない五輪

2012.7.26|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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ご愛読、ありがとうございます。

 

いよいよ明日から、ロンドンオリンピックが始まりますね。華やかなスポーツの祭典、どんな開会式なのか、楽しみです。

 

でも一方では、今回のオリンピック、あまり資源の無駄づかいをしない、環境に配慮したオリンピックとして意識され、開発や運営がされていることでも注目されているようですよ。

 

冒頭の写真は、今回のものではなく、前回の北京オリンピックのメイン施設です。「鳥の巣」の愛称ですごく話題を呼んだ建物で、とんでもない量の鉄骨が使われています。

 

しかしこの競技場、オリンピック閉幕後、今までほとんど使われていないそうで、既に「都市のお荷物」「無用の長物」と化しているのだとか。何とももったいない話です。

 

今までほとんど使われなかった理由として、巨大なこの施設をトップクラスのイベントのためにしか使いたくない、という当局の意向があるからだとも、あまりにも巨大で、観客が8万人以下の場合にはガランとして見栄えがしないからだとも言われています。

 

ただこの「五輪後の会場施設の荒廃」というのは、北京だけでなく、過去のどの開催都市でも、大なり小なり起こっていることのようです。この問題をIOC(国際五輪委員会)ももっと重要視すべき、との意見も多々あるとか。

 

私のような建築と環境に関わる志事をしていると、確かにこのような大きな施設が無駄になってしまうことには、大きな不安をおぼえます。巨大な建物とは、ただ存在しているだけでもメンテナンスという費用を必要とするもの。効率的に使われない、ただ2週間ほどの五輪の間だけの華、というのでは、あまりにも悲しいことです。

 

そして、そのような過去の悪例をふまえて、今回のロンドン五輪は、かなりその点、環境への配慮や持続可能性の追求がおこなわれている、ということなんですね。

 

ロンドン五輪のテーマとして、「Towards a One Planet 2012(地球1個分の暮らしに向けて)」というものが提唱されているそうです。これは「One Planet Living(ワン・プラネット・リビング)」という考え方から出たもので、地球1個分で暮らせる持続可能な生活や社会を実現しようよ、ということ。

 

五輪の開催されるイギリスに住んでいる人、それと同様の文明的な暮らしを世界中の全ての人がおこなうとすると、現在の状況では、地球が3個必要になると言います。それほど現代社会というものは地球環境を食いつぶしている。それを、1つしかない地球でちゃんと全人類の生活をまかなえる、そんな暮らしこそ「持続可能な暮らし」、ということなんですね。

 

そのようなことをテーマに掲げたオリンピックは、もちろん今までにない、初めてのことです。その意味で、今回のロンドン・オリンピックは、歴史的に非常に意義のある大会だと言えましょう。素晴らしいことです。

 

私も非常に気になるこのテーマ、これからも何回かに分けて、その具体例などを追っていきたいと思っています。