ヘリを漕ぐ

2012.7.28|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

浮かぶ50秒間

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

今日は、画像だけでなく、ぜひ動画も合わせてご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=H0qfgBeb35Y

 

この大きなもの、人力で動くヘリコプターなんです。名前は「Gamera II」。このヘリが、ある偉業に近づきつつある、という話に、とても興味がわきました。

 

その偉業とは、もちろん人力ヘリコプターで「飛ぶ」こと。とは言っても、そう簡単にできることではありません。人力でヘリを「浮かす」こと、それだけですごいことなんです。

 

この「Gamera II」、その大きさは直径にして約32メートル。かなり巨大なものですね。しかし、胴体を構成する素材としてカーボンファイバー製のマイクロトラスフレームを用いることで、なんと約32キログラムという重量を実現しています。大きさに比べて、とんでもない軽さ。確かに、少しでも軽量化するのが「浮かす」ためのキモなのでしょう。

 

そして、 これを作ったメリーランド大学航空工学部のチームが達成しようとしているものとは、あるコンペティションと、その賞金なのですね。それは、米国ヘリコプター協会(AHS)によって設けられた「イーゴリ・Ⅰ・シコールスキー 人力ヘリコプター・コンペティション」というもので、その賞金は250,000ドル!

 

そのコンペティションが求めるもの、それは「人力のヘリコプターが離陸して、60秒間以上ホバリングすること、飛行中に高度3mに到達すること、その際10平方mの範囲にとどまること」なのだそうです。

 

素人の考えでは、何だかそう難しくないように一瞬思えますが、とんでもないこと。これは「超難関」と言える課題なのです。それが、冒頭に挙げた動画を見ていただくとよくわかりますね。

 

そしてこの動画で、「Gamera II」は50秒間のホバリングに成功しました。これもまた凄い快挙なのです。何と言っても、今まで「人力ヘリを浮かす」ことに成功したチームですら、たった3つしかないのだそうですから。

 

今回の快挙を達成したポイントは2つあるそうで、それがまた面白いのです。

 

ひとつは、ローター(プロペラ)が地面すれすれにあること。これによって、機体そのものに邪魔されることなく、ローターによる浮力を全面的に活かすことができるのだとか。

 

そしてもうひとつは、「手を使う」こと。足漕ぎペダルに加えて、手回しのクランクが動力に使われていますね。これによって、動力が約20%アップするといいます。

 

「人の力で空を飛ぶ」というと、「鳥人間コンテスト」などというものを想像したりしますが、それよりももっと「動力」として人力を使っている点、航空力学を研究し尽くしている点で、この人力ヘリコプターにとても夢とロマンを感じますね、私。

 

「シコールスキー・コンペティション」の目標達成も視野に入ってきた人力ヘリ。とにかくその動画を見て下さいませ。応援したくなること必至であります。