福井の気づきブログ

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木造マンションのこと

2005-12-29

カテゴリー「お店・施設づくり伝えたいコト

投稿者 福井綱吉

先日、熊本へ出かけて見た3階建て木造マンションのことを少しお話しようかと思います。

写真では見難いのですが、小国杉の大断面集成材が天井左から右、右から左へと建物周囲も含めると5列ほど見えると思います。幅18センチほどで背(高さ)70センチ、長さは9メートルもの材が使われています。天井の下地桟で隠れている上の部分まで同じ背の梁なのです。柱も奥行き60センチぐらいありそうで、あまりにも大きすぎる気がしました。

このいかついインゴットからは、癒し系のアロマテラピーは、あまり感じられません。

構造偽装問題の最中、太すぎるという言葉は不適切かもしれませんが、杉のヤング係数を過小評価しすぎて、ご覧のような背の高さとなっているのです。松でしたら50センチぐらいの背になるのですが、実際に計った小国杉のヤング係数は90以上が平均値で、松の80をはるか超えているのです。全ての集成材にするラミナ(集成材に使う所定寸法の板材)を実測しての数値ですから、そのデータを基に大断面集成材を構造計算に従ってつくれば、50センチぐらいには充分できると思われます。

あまりにも無謀な寸法で、見た目のバランスも悪く、残念でなりませんでした。また、残念ながら、木材に精通して、木材を建物に生かすことに優れた設計者でもなく、あくまでコンクリート製マンションの延長といった設えの設計のために、年がら年中、木にこだわる私のような人種には、かなり寂しい建築現場ではありました。

ただ、今回の小国ウッディ協同組合代表理事の河津さんがオーナーとして取組んだこのマンションは、今後の木造施設普及への足がかりには確実になる施設でもあり、誰でも文句はいえるのですが、実行は中々できることではありません。

今後、しっかりとした認識を持って、このマンションの完成も見させていただき、これからの木造施設建築の先導者に成れるよう頑張りたいと思います。