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吉野山の、高野槙の群落
「吉野山は桜」という史跡の先入観があるためか、この樹林を見ながらも、変わった木があるなあ?ぐらいで見過ごす人も多いと思います。写真でご覧の木が高野槙です。
普通この樹は、樹冠が鋭い尖りを見せて天にそびえ立っているのですが、ここの木は高さ7〜8メートル足らずで分岐に分岐を重ね不気味ささえ感じさせます。当日は吉野山の蔵王堂南の柿の葉寿し「やつこ」の9月からはじめる全面リニューアル工事の打合せの後でしたので、南北朝の合戦跡でもあり、死者の霊もさまよう所とあってか、夕方のこの樹の表情は、本当に怖い感じさえしました。
この分岐を重ね曲がりくねった形は、毎年お盆のお供えとして、枝先を切る為にこのようになったのです。ここが奈良県の天然記念物に指定されている訳は、メタセコイヤと同様に高野槙そのものが「生きた化石植物」であり、しかも純林として広い面積に存在しているからだそうです。
高野槙は現在では日本特産の植物ですが、数千年前の第3紀地質時代には地球の北半球に広く分布していたのです。ところが気象の変化に伴って外国ではみな絶滅して、今では世界各地では化石として出土されているだけといいます。日本でも、紀州、大和を主として、中部、四国、九州の一部にその子孫が残っているだけという貴重な植物です。
ところで、この高野槙を柱や床、壁、天井などに使いたいと言う方がおられましたら、喜んで承りますのでご一報くださいませ。家づくりに使う高野槙はここの樹と違って、真直ぐに樹幹が尖った背の高い木ですから、怖い雰囲気は全くありませんのでご安心を!
不気味な枝ぶりです
群落みな同様なのです
葉っぱは普通なのですが・・・
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