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耐震補強リフォームで提案した内障子のデザイン!
数寄屋風の優雅な御屋敷。
昔からの伝統的上下階の壁が一致しないそのお家が、6月の大阪北部地震とその後の台風21号で大打撃を受けました。
瓦屋根は崩れ、瓦下の盛り土は流れ、室内の壁一面にヒビ割れが生じ、いたるところの土壁が落ちて。
耐震診断すると、0.08レベル。
建築基準法上の基本数値が1.0レベルに対してです。
もちろん、昔からの和建築構造の考え方と、今の考え方は当然違うのですけど。
これが全て正しければ、敷地に家の形として成り立っていない数値ですからね。
被災当初は、取り壊しの話に。
それでもこの素敵なお家を壊すのは惨すぎると説明し、建てられた今は亡きご主人の想いも尊重し、改修することになり。
耐震構造補強策の検討を繰り返し。
上下階の構造壁の整合性を図り、土下地でむくりのある瓦屋根は、数寄屋づくりに似合う金属板金の横葺きにして軽量化。
写真のあかり障子の場所は本来、座敷前広縁の入口です。
そこは間口1.5m、奥に約4m、そこから左に約5m、突き当り手前には書院が。
その間、突当りに柱が一本あるだけ。
座敷側は全て雪見障子。
外側は木製の框ガラス建具で、コーナーに向けて二方向の手前に雨戸用の半間壁があるのみ。
その広縁を無くして、上下階を整合性のある構造壁に。
けど、「座敷内部の書院は出っ張っていて構造壁の為に断念するけど、全ての内障子はそのまま残したい!」
そこで、構造壁はその障子壁の外に抱かす形で基礎から製作して、座敷の風情はそのままに生かす。
この家を知る人には、そんな想像のできるこの障子。
玄関入口横にある、元々の丸い明かり窓の内側には、格子がタテに11本、横には中央へ3本を集めた素敵なデザインの内障子。
昔から格子は縦横共奇数が決まり。
今回もその反対側の内障子として同様に奇数の格子デザインに!
お客様にも喜ばれ、我ながらいい出来栄えに、ちょっと嬉しい気分でした。
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