福井の気づきブログ

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古民家リフォームの考え方について

このお家はリフォームした時築250年以上といわれていました!

古民家リフォームについて、私たちKJWORKSの再生、改修するに際しての考え方や提案について少しご説明します。

古民家というと一般的に築100年、最低でも70年以上昔の建物と考えられるかもしれませんが、私たちは仮に50年前であっても、造り方が日本の伝統工法の田舎間的な建物は基本、古民家と定義付しています。

また、写真に写っている建物のように元々の大屋根は茅葺きで一段下がって瓦葺き、そんな、伝統工法でももっと古い部類の建物もあります。この建物はリフォーム当時でも最低でも築250年以上昔に建てられた建物で、かなりの捩じれが生じていて、社寺なんかと同じで、長年放置するとスクリュー状態に捩じれて潰れて崩壊する一歩手前でした。

古民家と呼ばれる古い伝統工法の建物の構造は、そもそも現在の建築構造の考え方とはまるで違います。

まず基礎なんてものはありません。束石(御影石:花崗岩)の上に建物の柱が載っていて、柱は相互に貫で繋がっています。

壁には筋交や構造面材なんてものも入っなく、柱と梁と桁と貫と小屋裏の束や母屋などで構成されていて、その壁は和すさを練りこん赤土を竹小舞に塗り込んでいます。屋根瓦も土で固め、小屋裏にも藁すさ入りの赤土を敷き詰め断熱や雨漏れを防ぐ役割もしているのです。

昔からの外部に面する窓は全て木製の引戸や引き違い戸ですから、建物の気密は良くありませんから、そこには縁側があってその内側に更に雪見障子などを建てつけて、その内側の座敷などの冷え込みも防いでいました。

床下は高基礎で床下に湿気が溜まらないようにと通気を最大限に作ってますから冬場はというと底冷えします。その反面、土で覆われた大屋根とその下にある小屋裏の大空間が夏場の断熱となって夏の室内は涼しく快適にできています。

昔の人は、冬の寒さよりも、夏の涼しさを選んだのですね。

昔の人は、それが当たり前の暮らしでしたし、それしか知りませんから、建物に関して何の不満もありませんでしたが、時代が変わり、気候もかなり温暖化も進み、雨風の状況もけた違いに悪化しているし、地震などもかなりの頻度で勃発しますから、当時の建物をそのまま活かして暮らすのはかなり危険でもあります。

とはいうものの、建築構造の考え方が今とは全く違いますから、一概に昔の家の構造はダメかというと、そんなことはありません。ただ、今の耐震強度(1.2.3)で計算すると、0.1-0.2ぐらいしか数値は出ません。この数値というのが絶対であればとっくに建物として存在しません。あくまで今の基準で計算する場合のことですから。

けど、0.1のままでは良いはずもなく、如何に耐震レベル等級1.0に近づけられるかが大事なことです。

私が、古民家リフォームを提案する場合、上記のような数値を目指して耐震補強を施すのはは当然ですので、最初に考えられるのは屋根を軽くするために土を取り除いて桟葺き瓦に変えるとか、板金屋根にする等、耐震補強の前に建物加重を軽くすることを勧めます。

そして、心地良い暮らしを実現するためには、先ず床下は完全に捲ってシロアリチェックとその対策、そして、床下や屋根の徹底的な断熱、土壁の場合の壁は、できれば内側にフェノール樹脂などの高性能な断熱材を充填します。そして、窓は完全に変えるか、内窓(インナーサッシ)を取り付けます。プランニングの前に最低限の断熱工事の提案です。

せっかくの断熱をしたなら、ようやく間取りとして回遊同線を考えて、無垢の床板、できれば下地に合板を張らずに厚み40mmの小国杉の床板を提案します。壁や天井には漆喰(価格を気にされる人にはローラー漆喰を)、プラス天井に杉板や檜の板張りを施します。水回りや収納、納戸、更衣室などの壁や天井にはMoissをお勧め。

近隣との距離感があれば薪ストーブやペレットストーブの提案もします。

更にキッチンや洗面台などは、予算次第ですが、製作します。

キッチンに至っては、メーカー品を使うなら、業務用のステンレスキッチンを応用してステンレスの一枚天板にビルトインコンロや浄活水器なども設置できるようなキッチンの提案、無垢板カウンターの上に洗面器を載せる形式のオーダー家具も自社設計で創り上げます。

また、古民家リフォームは大工なら誰でもできるわけでは有りません。

KJWORKSの10年前まではまとめ役の大工棟梁が宮大工出身で、その棟梁の下に二人の大工が修行し、棟梁の引退後はその二人が古民家リフォームを愉しんでシゴトしています。

古民家リフォームはシゴトというよりも、ライフワークの問題です。

私自身、古民家リフォームが大好きで、現地実測や建物調査して、依頼主の想いを把握し、どんなプランにできるのか?どんなプランが喜ばれるか?アドリブも踏まえて考えていく!

そのアドリブや想いを共有する大工棟梁とのコラボ。

こうした大工職人が居るからこそ、自信をもって創れるのが古民家リフォームです。

そうそう、心地良い暮らしには、室内へ外の風の上手な取り込み屋、明りの採り方、調湿効果のある素材を使うこと、美味しい空気に触れて、回遊動線を愉しむ。こうしたことを暮らしに盛り込んで日々を愉しむ、それが、私やKJWORKSの古民家リフォーム提案です。

ホームページなどに古民家の告知が上手く表現できておらず、中々古民家リフォームが得意な工務店の告知ができていませんことが実に残念でなのですが、依頼主の方とお会いさえすれば、必ず、KJWORKSのファンになってもらえるコト間違いありません!

今年はコロナ過もようやく収束しつつありますから、年に2件程度の目途も立ってきましたが、できれば年に3件程度は大工の技能継承のためにも設計施工したいのが本音です!