現在建築中のOさんの家では基礎工事が始まっています。
Oさんの家では、いろいろな新しい取り組みが行われていますが、
基礎工事序盤からその一つ目が行われました。
基礎の下には、防湿シートと呼ばれる湿気を床下に上げない為のシートが施工されるのですが、
今回は、シロアリに対する忌避効果もある防蟻防湿シートを採用することになりました。
使用するのはターミダンシートです。
調べてみると防蟻防湿シートはいろいろあるようですが、ターミダンシートは、
水に溶けにくいビフェントリンという薬剤を練り込んでいます。
そのため、長期にわたって忌避効果を発揮します。
また厚みも0.18㎜あり、他の0.1㎜シートよりも厚めなので防湿効果もしっかり期待できます。
シートを張り合わせるためのテープも専用テープがあり、
実はテープ自体にも有効成分のビフェントリンが含有されている念の入れ方です。
シートやテープ自体が通常の防湿シートよりも割高なのですが、先の事を考えると十分投資効果があると思います。
先日もシロアリの業者さんと話をしていたのですが、
べた基礎を解体した現場を調査した時の話を聞きました。
防湿シートの下の土は湿潤状態で、シロアリの巣が見つかったとのことです。
べた基礎自体が健在ならば問題ないのですが、家の下に巣がある状態ですとあまり気持ちのいいものではありません。
ケイジェイワークスでは採用しないのですが、
断熱性向上のために、基礎下、土壌との間に発泡性の断熱材を敷きこんだり、
基礎の立ち上がりの外側に断熱材を貼る工法がありますが、関西のようなシロアリが活性している地域では
長期のシロアリ対策ではあまりよくないのでは?と思います。
防蟻対策の取られた発砲系断熱材でも食べるものがなければシロアリは、
食べながら死んで、次のアリが又食べて死んでを繰り返し、いずれは構造体に到達する可能性があります。
もちろん省エネ向上のためには断熱性は重要ですが、家の目的からすると
耐震性や耐久性の方が重要かと思います。
基礎下のシロアリ対策はできる事が限られているのと、シロアリ自体は地球環境からすると
分解者としての益虫の為、根絶することはあり得ないです。
そのため、家としてどう対処するかが重要です。
ターミダンシートのような防蟻防湿シートは、通常の構造体への薬剤に加えて
新たな有効な選択肢の一つとして考えられます。