
安本の木の家づくり日誌
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私が仕事を「家づくり」にした理由(前)
私がケイ・ジェイ・ワークスに入社して15年以上経ちます。
数多くの家づくりにかかわらせていただいたのですが、
ここで私がケイ・ジェイ・ワークスに入社して
家づくりの仕事を始めた理由をお話ししたいと思います。
私自身、子供のころから喘息持ちで、体が強くなく
公害や環境に小さい時から興味がありました。
当時アレルギーという言葉一般でなかったので
子供ながらに、空気を良くすれば喘息は無くなると考えていたのです。
そんな中、物を作ったり絵を描いたりすることが好きなことから
大学は建築学科を受験しました。
建築学には大きく意匠・構造・環境設備の種類がありました。
その中で私は環境設備を選びました。
環境設備は、温度や湿度、光や音、空調などの研究もあり
隣の研究室では人工衛星の画像を使って
ヒートアイランドの研究もされるなど、
室内にとどまらず、屋外の環境も研究の対象です。
その中で私は少し地味ですが、大学院で
地下室における結露についての研究をしていました。
当時、地下空間という未知の領域に
心惹かれていたのかもしれません。
そして、修了後は建築設備の設計事務所で
設計の仕事をしていました。
学校や劇場、役所、福祉施設などの大規模な施設の設計です。
建築設備には大きく空調・給排水が主の機械設備
電気や照明・通信が主の電気設備に分かれています。
私は機械設備の担当で、その部署は建築系だけでなく
機械工学出身の人もいるなど多様な方が働いていました。
皆さんは、設備というとエアコンをいれて
配管やダクトの図面を描く、というイメージが強いかと思います。
実際仕事はその内容もあるのですが、
主たる目的はその建物を快適に安全に、
合理的に運営するように設計することです。
そのため、本来の建築設備は建物の
プランニングの段階から参加します。
今でこそ当たり前になっている自然のエネルギーを活用して、
省エネにする手法も当時から取り組んでいていて、
そのためには、意匠設計のプランにも口を出して、
プラン自体を変えてもらうこともありました。
そうして、建物のアウトラインが出来て、
具体的に機械や配線配管の図面を書いていきます。
先にデザインありきの建物だと、ダクトや配管に
無理が生じたり、結露問題やエネルギーの
ロスが多い計画になる事もあります。
デザインありきがダメというわけではありませんが、
建てられる施主組織がどう考えて
その建築を計画するかがとても重要だと思います。
そのため、設備計画としては建築計画の最初の段階から
参加するのが、その建物にとって最も良いのでは、とおもいます。
ですが、実際には建築における設備の地位が低いのか
思うようにならないことも多々あります。
そして、何より建築自体の規模が大きいので
多くの人がかかわります。
それだけにやりがいもあるのですが、
どうしてもかかわり方が部分的になります。
計画の最初から完成そしてその後まで
建築に係りたいと思うようになりました。
そうなると、大規模な建物では不可能になります。
そんな中で興味がわいてきたのが住宅です。
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