安本の木の家づくり日誌

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基礎断熱を採用する理由

2022-10-13

カテゴリー「家づくりのヒント構造見学会の見どころ

投稿者 安本峰樹

ケイジェイワークスの新築では、基本的に1階の断熱は基礎断熱を採用しています。

1階の床の断熱は普通、床の下に張り付ける物、と思われている方も多いかもしれませんが、
床の断熱方法としては2種類あります。

一つが一般的な床断熱
もう一つが基礎断熱です。

床断熱は、その名の通り床板の下に断熱を貼る方法で
昔からある断熱のやり方です。

対して基礎断熱とは、基礎の内側に断熱材を貼ることで
床下空間は室内と同じ扱いにする工法を言います。
その場合は、床板の下には断熱材がありません。

基礎断熱のメリットは、
・断熱と気密の境界が分かりやすく気密性を取りやすい
例えば、床断熱を採用する場合は、ユニットバスの下などで気密が取りにくかったり、
配管の貫通部で気密が取りにくかったりするのですが、
基礎断熱の場合は、床下空間も部屋打ちと同じ扱いなので、気密を取りやすくなるんですね。

・床下空間も断熱されているため床下も冬暖かい
これは、マッハシステムなど全館に空気を回す手法の場合は、床下も断熱されていることで床の温度が一定になり足元が快適になります。

・床下配管されている給湯管などが冷めにくい
床断熱の場合は床下は外気と同じの為、冬は冷えます。配管はそんな床下に施工されているのでお湯が冷めやすいですが、基礎断熱の場合は床下も室温より少し低い程度なので床断熱に比べて給湯管が冷めにくくなります。まぁこれはおまけみたいなものですが。

などなど、メリットがありますが、
基礎断熱は基本的に基礎の形状が決まってきます。
べた基礎のみ採用可能となります。

(べた基礎についてはこちらの記事をどうぞ)

布基礎の場合は、地面が露出しているため断熱の施工が難しく、
布基礎の場合は自動的に床断熱となります。

リフォームなどで床断熱が多いのはこの基礎の形状によることが多いです。

また、ケイジェイワークスの1階の床板は40㎜の厚板を使うのですが、
個の床板を施工する場合は、床断熱より基礎断熱の方が施工性が良いんですね。
床断熱の場合、先に断熱材を仕込むのですが
断熱材に乗ると踏み抜いてしまうため非常に危険です。
厚板施工は、一般の合板併用のフローリングより施工に手間がかかるため
こうした先に断熱を施工した場合は、施工性が落ちてしまうんですエ。
ちょっとマニアックなお話ですが、厚板フローリングとも相性がいいのが
基礎断熱なんですね。

建築は一つの技術が良ければそれだけ採用すればよいのではなく、
他の部材や工法との相性もあるため、拙速に選ぶことは注意が必要です。
ネット情報などでは、情報が浅く広くなりがちなため、
安易な採用は建築では禁物です。

組み合わせを熟知した設計・施工があって初めて性能が発揮されるんですね。

少し脱線しましたが、ケイジェイワークスの床の断熱は基礎断熱を採用しています。

 

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基礎断熱の模型です。水色部分が断熱材。グレーが基礎を表しています。基礎断熱のメリットが多いですが、行かせるかどうかは作り手次第です。

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基礎断熱の気密性アップに欠かせないパッキンです。土台と基礎の間に2重のゴムを挟み込みます。完成したら見えないけれど高気密高断熱住宅では欠かせない仕組みです。

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こちらは床断熱の事例。この上に床材を施工していきます。リノベーションでは布基礎がほとんどなので、床断熱が多いです。床断熱にもメリットがあるので、きちんと施工すれば高断熱住宅にすることもできます。

 

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