
安本の木の家づくり日誌
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見えない線をかわす
建築物を建てるときにはいろいろな法的規制が出てきます。
その中で建物のデザインに影響を与える規制の一つが斜線制限です。
斜線制限とは、いろいろ種類がありますが、それぞれ敷地内に見えない斜線が引かれてその中に建物を収めなさいね、というルールです。
斜線制限には、道路斜線、隣地斜線、北側斜線などいろいろあり、また建築の都市計画によってもルールの詳細が変わります。
3階建てで言えば、道路斜線には注意が必要です。
道路の斜線とは、道路に対し圧迫感や日照制限などが無いように建物の高さを規制するルールで
敷地の反対側の道路から1:1.25もしくは1:1.5の角度で斜線を引いて、その内部に高さを収めなさいという事になります。
たとえばこちらの家ではこのように斜線が引かれます。

斜めに入っている線が道路斜線。敷地より少し後退しているので緩和措置がありますが、道路幅が狭いので、建物がギリギリです。
この斜線のように道路から引かれるのですが敷地後退など緩和措置があれば、多少高さをあげられますが、道路が狭いと3階建ての場合はどうしても3階部分の屋根が当たってしまいます。
今回は、一部をバルコニーにして、透過性の高い手すりを採用するという事で斜線をかわして建築の申請を行いました。
角地の場合は、2方向から斜線が来るので3階建ての場合は結構シビアな建築になる事があります。
本当は軒を出したいのですが、軒を出すとさらに高さが制限されるため色々考えることがあります。
軒が無い場合は、外壁をガルバリウム鋼板のサイディングなど雨水対策が取りやすい仕様にしたり
屋上バルコニーはよくあるFRP防水ではなく、板金防水にしたいり
通気層の空気の出口を工夫して、空気が抜けるようにしたりと、いろいろ大変です。
こうした配慮がないと、先々メンテナンスなどに費用が掛かるため、最初の対処が大事です。
特に細長い土地で3階建ては、角地だから絶対良い!と言えないのが難しいところ。
でも今回の家はご希望の明るいリビングを実現できて、とても喜んで住んでいただき、計画で苦労した甲斐がありました!

一部屋上バルコニーで道路斜線を回避して建った木造3階建て。大きなバルコニーから3階の屋根のメンテがやりやすいのはメリットです。

屋上のバルコニーはFRP防水では無く耐久性のある板金防水を採用しました。費用が高いのが玉にキズ、、、
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