阿蘇の小国杉とその使い方勉強会開催します!

11月17日(日)と 12月15日(日)に阿蘇小国杉の家展示場内で開催する勉強会のお知らせです!
それでは、小国杉の生い立ちから説明します。
全国の杉ってどこで見ても同じように見えるのですが、実は何十種類もあります。
だから、杉材としての統一した品質表示はできず、他の材に比べて評価が低いのです。
熊本県の小国郷(小国町と南小国町のコト)では、1750年代から小国杉の人工造林を開始。当時、何種類もあった杉を明治27年以降、ヤブクグリとヤクノシマの二種類に統一しました。
また、多くの地域で植林に使われている実生苗ではなく、挿し木苗にしました。
小さな杉の苗を育てた実生苗は、それぞれの個性で品質が不均一です。
それに杉の花が咲き、花粉が飛びます!
半面、挿し木苗よる小国の造林は、育つ杉は全てクローンですから品質は均一です。
そして、花は咲かず花粉は飛びませんから花粉症の人には?素晴らしい造林方法なんです!
次に乾燥について説明しますと。。。
理想は木材に負荷を与えない自然乾燥や地熱乾燥なんですが。
自然乾燥では、現在の木材流通に対して品質精度的に無理があります。
バラツキのある木材固有の癖を均一に自然乾燥で克服するには年単位の時間が必要となります。
それに、天日による乾燥では多くの割れが生じて、かなり多くの製品ロスが発生してしまいます。
ですから、現状、一般的に自然乾燥で採用されている品物は、薄板の壁下地用バラ板ぐらいなのです。
バラ板はそんなに品質を要求されませんからね。
自然乾燥+地熱乾燥で上手く製造しているのは、節のほとんどない小国杉の10mmの薄板化粧板です。
この板の用途は天井や腰壁によく使います。
また、室内の木製建具にも使っています。
良い味のある製品になりますし、好みに応じていろんな染色も可能です。
小国で一番のお勧めは地熱乾燥(温泉の源泉蒸気を50℃強に抑えて配管で対応)です。
ですから、全部といいたいのですが、構造材以外の床板や造作材全ての乾燥に採用しています。
乾燥期間としては、木材の癖によって違い、かなり不規則(目安は2週間程度)です。
残念ながら、構造材は太くて体積が大きく地熱乾燥では割れが生じたり、均一な乾燥が難しく、何度も挑戦したのですが、今は地熱を断念し、一般の高温乾燥温度より少し抑えて、乾燥期間を少し長めに設定、小口割れ防止に木材小口に樹脂を塗布した小国独自の乾燥方法を採用しています。
今度は、木材製品の創り方について。。。
最初に皮むきした丸太を製材します。
挽き方の順としては、構造原板⇨造作材や厚床板の原板⇨薄板や胴縁、ヒモ材原板⇨バラ板原板、その後、挽いた原板を先ほどの方法で乾燥します。
最後に、乾燥原板をプレーナー、モルダー処理して製品が完成します。
主な製品としては・・・
構造材(梁・桁・通し柱・管柱・間柱)、造作材(開口枠・窓枠・幅木・廻縁・見切り材・床板・天井板・壁板・他)、野材(胴縁・下地材・バラ板・他)があります。
自慢の商品というと。。。
厚さ40mm、幅165mm、長さ4000mmの小国杉の床板(節あり)は絶品です。
また、厚さ10mm、幅120mm、長さ2000mmの小国杉の万能板(節無し)は、天井に、腰壁に、そして、無垢板の建具造りにも最適です。。
設計段階から注文すれば、節の無い厚さ40mmの床板も注文可能です。
その他、小国杉の家やE-BOXでの実際の用途事例も交えながらの約1時間半の勉強会!
みなさん、ぜひ、お越しくださいませ。