地域工務店として国産木材にこだわる意図

2005.6.11|カテゴリー「伝えたいコト」|投稿者 福井綱吉


今日、企画室員として面接したMさん(私が面接をお願いしたのですが)から「木の家づくりをする中で福井さんを国産木材に駆り立てるものは何ですか?」といった質問を受けました。

そこで、私は以下の用に返答しました。
「毎年、長梅雨時や秋の台風シーズンになると、全国、何処かの山間部で山崩れによるお年よりの生き埋め死亡事故がテレビや新聞紙面を数多く賑わすけれど、あれは天災ではなく明らかに人災だと思うのです。しかも、行政の指導の下、本来、里山である根の張った広葉樹の山林に杉や桧といった根浅の針葉樹を植林させておきながら、それとは裏腹に長期的視野にない短絡的な海外木材の輸入促進をはかり、林産地の労働意欲を萎えさせた結果、農村部から若年労働者が都市部に流出し、山間部にはお年寄りだけが残ってしまった。そうして放置された樹林は下草の生えない暗闇の林となって、腐葉土をはじめ黒土までも山から流れ出て大雨になると、保水能力を無くした山の斜面は益々山肌を削り取り、一部の雨は地面の下に潜り込む事で表面に生える針葉樹の樹木や山斜面全体を崩れ落とし、下方にある農家の屋根もろとも埋め尽くす事となるのです。」

「そんな行政の行なってきた過去の犯罪を、今更問うても意味も無く、私にとって今後、少しでも山のためにできることは何かと考えると、下落してしまった木材相場では、山に対して大したお金は残せないのかもしれないけれど、その山から出材する為の労働力や木材加工費用は必ず生れる訳です。そんな気持ちの工務店が街側から少しでも現れ、逆輸入的な考えの流れが地方にも波及する事によって、日本人の多くが家づくりの為の木材は国内木材を使うのは当り前!の風潮をつくる先駆的な一握りの工務店パワーとなれば・・・」といった話を返しました。彼女もそうした想いが通じたようで、林産地に対する認識は同じだという事で、反対に私への面接は、合格だったようです???

また、話しを続けます・・・私にとって年間10棟から20棟の工房工務店が一番居心地がよかったし、そうしたかったのですが、前に述べたような山の現状に対しての憂いを感じてしまうと、自分の考えだけで工務店を続け『自身が駄目になったらあとはもういいじゃあないか!』的なことでとても耐えられず『福井が年老いたり、パワーがなくなったら、次の後継者が同じ信念を生かし続ける!』そんな工房的ではない、地域工務店をつくり出すことが実に大事なんだという事にこの3年余り悩み続け、遂にはその証とする彩都「暮らしのギャラリー木想館」を計画する事となったのです。